満期保険金・解約返戻金の税金優遇

保険商品が貯蓄の手段として使われている、という理由には、その商品内容の性質もありますが、税制面でメリットが大きいという点もあります。

まず、銀行預金などの、普通の貯蓄商品は、毎年の利息に対して20%の税金がかかります。
あらかじめ利息から20%が引かれており、確定申告の必要もなければ、基本的に減税の制度もありません。

生命保険の満期金・解約返戻金には、次のような仕組みで税金がかかるようになっています。
損害保険の場合は掛け捨てが多いので、あまり満期金や解約返戻金がありませんが、あれば同じです。
また、生命保険で、保険の対象となっている人が保険契約者と別で、保険契約者が死亡保険金を得た場合も、これと同じ考え方となります。

まず、満期金(解約返戻金)のうち、それまでに払った保険料の分には税金はかかりません。
預金で言えば、自分が預けた元金が戻ってくるのと同じだからです。
自分が払った保険料を超えた金額が、税金の対象となります。
この部分は、保険商品に預けたために増えた金額ですから、貯蓄で得た利息と同じです。
税金にはいろいろな種類がありますが、所得税がかかります。
所得税は、給料や事業による収入などを対象とした税金で、預金の利息も対象となっています。

ただし、所得税が掛けられるのは、払った保険料を超えた金額の全てではありません。
この金額は、「一時所得」という分類に分けられ、給料などとは別の扱いになります。
懸賞の賞金や賃貸アパートの立ち退き料などが、この「一時所得」となります。
そして、1年間の「一時所得」を合計して、そこから50万円を差し引きます。
さらに、差し引いた金額を半分にした、その金額に対して所得税がかかります。

懸賞の賞金なんて、そうそう当たるものではありません。
賃貸アパートの立ち退き料も、めったに手にする機会はないでしょう。
ということは保険の満期金の〝増えた金額〟から50万円を引いて、さらに半分にした金額が、税金の対象となるわけです。

まず、50万円までは税金がかからない。
そして、かかる場合でも、半分だけにかかる。これは、貯蓄と比べて、かなり優遇されていると言えます。
例えば、100万円を2%で運用すると、毎年の利息は2万円。
10年間では20万円です。
この程度であれば、まったく税金がかからないわけです。
生命保険の満期金や解約返戻金に対する、特別な減税制度が作られているわけではありませんが、「一時所得」という分類に入れられることによって、大きな減税となっています。
これを目的に、生命保険に加入する人も少なくありません。

生命保険の中で、「養老保険」というものがあります。
満期金が出ますので、貯蓄商品の1つとして利用されています。
以前、5年満期の養老保険が爆発的な人気を集めました。
その理由は、「税金面でお得」ということでした。
とうとう、5年以下の養老保険は、貯蓄と同じに、〝増えた金額〟の20%が税金として差し引かれるようになりました。
5年以下であれば、〝万が一〟という可能性も少なく、本来の保障という意味が小さく、「節税のできる貯蓄商品」となっていたからです。

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