台風被害と火災保険

9月8日深夜から9日朝にかけて、関東を通過した台風15号は、すごかったですね。私は横浜市に住んでいますが、今までに経験したことのない風で、怖くてなかなか寝つかれませんでした。横浜市は最大風速41メートルでしたが、57メートルを記録した千葉市では、もっとすごい風だったのですね。実際、千葉県での被害が多く、交通網のマヒで成田空港では多くの到着客が足止めをくらったとか。。。

今回の台風の特徴は、雨よりも風が強かったことです。そのため、いろいろなところで被害をもたらしました。このような、風による被害は「風災」といいますが、これに備えた損害保険はあるのでしょうか? 「風災保険」なんて聞いたことないですね。

このような風災による被害は、火災保険でカバーされることになっています。一般の住宅にかけている火災保険は、大きく分けて、補償の範囲が狭い「住宅火災保険」と広い「住宅総合保険」に分けられます。風災は、範囲が狭い「住宅火災保険」でも補償の対象になっていますので、ほとんどの火災保険で対象となっています。

風災の場合、屋根や塀の被害が多くなります。雨どいも対象になっていますので、少額の修理費でも遠慮することはありません。また、カーポート(自動車置き場の雨よけ)も対象です。火災保険に加入している人は、保険会社に問い合わせてみてください。損害保険会社でも、すでに今回の台風で被害に対応して、問合せ窓口を増強しているようです。

このように火災保険は、火災以外の災害にも対応しています。主な補償対象を挙げると、

  • 住宅火災保険:火災、落雷、風災、雪災、ひょう、破裂・爆発
  • 住宅総合保険:上記に加えて、水災、水漏れ、盗難、物体の下落・追突・飛来

補償範囲が狭い住宅火災保険でも、風災以外に落雷などにも対応しています。意外と使える優れものなのです。

では、庭に置いてあった物が飛んで、隣の家や通行人に被害を与えた場合はどうでしょう?

火災保険が対象としているのは〝自宅〟の被害です。よその家や人の損害は対象としていません。他人に損害を与えた場合に補償するのは、賠償責任保険です。

ただ、自然災害で他人から被害を受けた場合、その人に対して損害賠償を請求できない、といいう決まりになっています。そのために、原因となった人は、被害者に対して損害賠償をしなくてもよいことになっています。そのために、賠償責任保険でも支払いの対象になりません。保険から保険金が出て、被害者に支払う方が、加害者としてもすっきりします。加害者としては、「賠償をしなくてよい」とされているがために、かえってやりにくいかもしれません。

ただし、建物が古く、「所有者の管理に問題があった」場合には、損害賠償の対象となり、保険金が出るケースもあったそうです。状況によりますので、個別に損害保険会社にお問い合わせください。

賠償責任保険に、あえて加入している人はあまりいないと思います。しかし、自動車保険に特約(プラスアルファとして、選択して追加する補償)として損害賠償保険に加入している場合が少なくありませんので、確認してみてください。意外なところで自動車保険が役立ちます。

注意しておきたいこともあります。台風の後に、「屋根が壊れていないか調べてあげます」という工事業者が突然訪れてきたりします。うっかり頼むと「かなり危険な状況になっています。補修工事が必要です」なんて言われてしまいます。こちらは屋根の上は見ることはできませんので、ついつい信じてしまいます。これも怪しいのですが、さらに「火災保険を使うと無料で直せます」と言われます。

火災保険で補償されるのは、あくまで火災や自然災害で被害を受けた場合です。台風の被害ということでなければ、補償の対象になりません。それどころか、〝虚偽の申請〟となる場合もあり、その場合は犯罪です。修理業者が代わりに保険金の申請書を書いたとしても、虚偽の申請をしているのは、保険加入者であるあなたです。いい加減な業者にそそのかされて、自分が犯罪をしていることになってしまわないよう、くれぐれもご注意ください。突然訪ねてきて、「お宅の屋根が壊れていますよ」という業者は、相手にしない方がよいでしょう。

2019.9.10記

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