新型コロナの感染者数が爆発的に増えています。「第7波」とされていますが、今までにない拡大ペースです。すでに1日の新規感染者数は20万人を超え、アメリカやヨーロッパ各国を抜いて世界1位になっています。今回はオミクロン株の一種「BA.5」とされており、感染の威力は強いものの、重症化する割合は少ないようです。それでも何らかの疾患を抱えている人は重症化するリスクもあり、安心できません。
政府は緊急事態宣言などの行動制限は求めておらず、外出しないわけにもいきません。人流はほとんど減っておらず、感染はさらに拡大しそうな勢いです。研究者グループのシミュレーションでは、8月前半まではさらに増えるものの、その後は減少していくと予想しています。多くの人が感染すると、集団免疫ができるためだそうです。どうやら、政府はそれを待っているような気がします。
誰がかかってもおかしくないような状況になっています。新型コロナは治療費や入院費用が一部を除いて無料です。そのため、医療費については心配ありません。しかし、感染したら、一定期間は仕事を休まなければならず、収入への影響が気になります。また、医療費が無料とはいっても、何かと出費があるかもしれません。そんな備えに、保険が役に立ちます。昨年、「新型コロナに備える保険」をご紹介しましたが、今どうなっているのかを見てみます。
●フコク生命「感染症サポートプラス」
医療保険「医療大臣∞プレミアエイト」に「入院見舞給付金」の特約を付けることができます。入院をした時点で一時金が支払われる特約です。入院の日数とは関係なく、入院給付金10日分の給付金が支払われます。
2020年12月28日~2022年1月31日までの間は、所定の感染症(新型コロナも該当)で入院した場合は「入院見舞給付金」を2倍の入院給付金20日分とすることにし、「感染症サポートプラス」とネーミングしました。新型コロナ対応をアピールするためです。
約束どおりに2022年1月31日までは継続しましたが、その時点で販売終了としました。もっとも、2倍とすることを終了したのであり、それ以前の「入院見舞給付金」は継続しています。新型コロナで入院した場合も10日分の入院見舞給付金が出ます。医師の指示で入院と同等の療養を受ける自宅療養をした場合も同様です。
●太陽生命「感染症プラス入院一時金保険」
「保険組曲Best」という保険に加入した人が付け加えることができる特約です。インターネット加入の場合は「保険組曲Best 入院一時金保険(入院重点プラン)」にプラスします。新型コロナに感染して入院すると、最大で合計60万円(30万円×2)が支払われます。
こちらは、販売停止にはなっていません。それどころか、以前は最大40万円まででしたが、今は60万円まで掛けることができます。
保険料は、30歳男性(クレジットカード払い)で、給付金を20万円(入院一時金10万円+災害入院一時金10万円)に設定した場合、1,340円と、以前から値上げをしていません。
特約ですので、加入には「保険組曲Best」に加入する必要があります。営業員からとインターネットでは、本体の商品が少し異なりますが、いずれからでも加入できます。
●第一スマート少額短期保険「特定感染症保険」
対象となる感染症を発病したと医師の診断がなされたら、特定感染症一時金10万円が支払われる保険ですが、保険料が新型コロナの感染情報によって保険料が毎月変動します。保険業界では初めての試みです。加入したら毎月保険料が変わるわけではなく、加入時の保険料が継続されます。ただ、保険期間が3ヶ月となっていますので、加入を継続した場合でも3ヶ月ごとに保険料が変動することになります。
発売を始めたのは、昨年の4月です。その後、8月の第5波、今年1月の第6波と感染者が急増しました。保険料の上限を変更するなどして対応していましたが、結局7月11日に販売停止となりました。予想外の急増で、対応できなかったのでしょう。保険料が高くなりすぎてしまい、いざという時に備える〝保険〟の機能を果たさなくなったという面もあるのでしょう。
保険料の動きを見ると、感染のピークの後に保険料が上昇しています。保険料は保険金支払いの状況を受けて料金を算出しますので、感染状況のミスマッチが生じてしまいます。
●㈱justInCase「コロナ助け合い保険」
新型コロナに限らず、1泊以上の入院をすると10万円の一時金が出ます。新型コロナについては、自宅や臨時施設で医師の診断を受けた場合も対象になります。
今年の4月に販売停止となりました。さらに、すでに加入している人に対しても、4月より入院一時金をそれまでの1/10(1万円)に変更しました。当面は9/10を保険会社が負担するということで10万円は確保されるとしています。
●PayPayほけん「コロナお見舞金」
新型コロナと診断されたら、2万円が出ます。保険料は年齢にかかわらず、3ヶ月は1,500円、6ヶ月は3,000円、1年は6,000円です。加入できるのは、生活インフラにかかわる仕事をしている人で、主婦などは対象外となっています。生活インフラとはいっても、医療、物流から金融、ネット配信など、かなり広く取っています。PayPayから加入でき、保険料の支払いもPayPayのみとなっています。昨年12月に販売を始め、現在も販売継続しています。
●大樹生命「おまもリーフ」
ケガと感染症での入院の際に保険金が出る保険です。保険料は年齢にかかわらず一律で、男性370円、女性340円と格安です。病気を対象から外すことによって保険料を安くしています。感染症が対象になっているのは、リスクが小さいためだったと思われますが、新型コロナも対象ですので、状況は変わりました。今年の2月で販売停止になりました。
このように、現在も継続して販売しているものもあれば、販売停止となったものも少なくありません。予想を超える感染状況になったと言えばそれまでですが、「万が一に備える」保険として販売停止は恥ずかしい限りです。扱っている保険会社が中堅や新興の会社が多く、ニッチなニーズを狙ったものの、リスク管理が十分でなかったとも言えるでしょう。話題にあった商品は、途中で終了してしまう、というリスクがあるようです。
2022.7.31記

