台風被害と火災保険②

台風19号の被害は広範囲に及びました。各地で川が氾濫し、洪水被害が相次ぎました。これだけ広い範囲で洪水の被害が発生したことは、今までになかったのではないでしょうか? 昨年の集中豪雨といい、今年の台風といい、自然災害の程度が大きくなっています。地球温暖化の影響でしょうか?

そのためか、火災保険の保険料が引き上げられています。この10月に、多くの保険会社で火災保険の保険料を値上げしました。

被災した人に支払う保険は、保険に加入した人の保険を集めて支払われています。支払う保険に見合う保険はどのくらいか、ということは、損害保険料率算出機構という組織が計算しています。これに、各損害保険会社は、自分の会社の経費を上乗せして、販売する保険の保険を決めています。この保険の基となる料率が引き上げられ、それを受けて、各保険会社も値上げに動いているのです。基となる料率が引き上げになるのは、自然災害が増えて、保険の支払いが増加したからです。

損害保険には消費税はかかりませんが、消費税引き上げと同時に値上げになりました。値上げしやすいタイミングを計ったのかもしれません。

実は、この基となる保険料率の計算には、昨年や今年の保険支払いの実績は含まれていません。昨年は自然災害による保険の支払いが急増したのですが、それが反映されるのは2年後のことです。今年はさらに保険の支払いが増えるでしょうから、3年後にも料率の引き上げが予想されます。2年後、3年後にも火災保険の保険は値上げされることが予想されます。すでに10月に値上げされてしまいましたが、それでも今後のことを考えると、長期契約で加入した方がお得になりそうです。

今月の引き上げ幅は、都道府県によって違います。ほとんど値上げしない、逆に値下げとなる地域もあれば、大幅引き上げになる地域もありました。保険会社によっては、2倍にもなる地域もありました。

このように、火災保険は地域によって(都道府県ごと)保険料が違います。一般に、沖縄、九州地方は保険料が高く、首都圏を中心とした関東地方は安くなっています。同じ条件であれば、保険料が安い東京都に比べて、高い沖縄県では、火災保険の保険料は3~4倍にもなります。〝火災〟の発生率であれば、地域によって大きな違いはないはずです。これだけ違うのは、自然災害による被害が違うためです。台風が多い沖縄、九州地方は保険料が高くなってしまうのです。

実際、火災保険での保険金の支払いは、火事よりも風災や水害などの自然災害の方が多くなっています。件数でみると、破損や汚損などの小さなものが多くなります。火災などによる保険金の支払いは、金額ベースで20%前後となっています。火災保険は、「火事のため」というよりは、自然災害に備えて加入するものなのです。

住宅を対象とする火災保険は、補償対象が狭い「住宅火災保険」と、補償対象が広い「住宅総合保険」に分類できます。対象が狭い「住宅火災保険」では、火災のほかに風災や雪災も対象になっています。対象が広い「住宅総合保険」では、水害や水漏れ、飛来や盗難までもが対象になっています。

実際に各社で販売されている火災保険を見てみると、代理店での販売をメインにしている大手損害保険会社では、比較的充実した補償内容になっています。(その代わり保険料は高くなります。)コースによってある程度は補償範囲を選べますが、基本的には「住宅総合保険」がベースになっていると考えてよいでしょう。
一方、ネット販売が中心の保険会社では、基本となる保険の対象をかなり狭めて、保険料を抑えています。選択の幅をかなり広くしていて、加入者が自由に保障の範囲を選べるようにしています。基本部分だけでいえば、「住宅火災保険」の範囲よりも狭くなっています。保険料を安くすることもできますが、必要な補償を選んで加えていくことも重要になります。

2019.10.20記

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