新型コロナに備える保険

2020年9月に、太陽生命は他社に先駆けて、新型コロナウイルスを保障する保険を発売しました。「感染症プラス入院一時金保険」です。9月1日の発売からわずか13日で、販売件数が1万件を超えたそうで、大きな注目を集めています。もっとも、この保険は他の保険の〝特約〟(主契約の保険プラスするオプションの保険)で、これだけに加入することはできません。実際どのようのものなのか詳細に見てみましょう。

「感染症プラス入院一時金保険」は、「保険組曲Best」という保険の組み合わせセット商品の中の1つの保険として販売されます。「保険組曲Best」自体にいろいろなコース、プランがあり、太陽生命の社員や保険代理店などの対面営業で加入とスマホなどのインターネットによる加入では異なります。対面営業の場合は「総合保障コース」「保険組曲Bestけんこう」「保険組曲Bestレディ」に「感染症プラス入院一時金保険」を付けることができます。インターネットの場合は「入院一時金保険(入院重点プラン)」に付けることができます。

つまり、「感染症プラス入院一時金保険」に加入しようと思ったら、主契約である「保険組曲Best」の「総合保障コース」または「入院一時金保険」に加入する必要があります。「感染症プラス入院一時金保険」は、病気などによる入院保障の〝上乗せ〟という位置付けです。

「感染症プラス入院一時金保険」は、ケガや所定の感染症で1日以上入院した場合に「災害入院一時金」が支払われます。一般的な医療保険のように「入院1日につき5,000円」のような形ではなく、期間の長短に関わらず(日帰り入院も含めて)、入院したら一時金が出るというタイプです。太陽生命ならではの保障と言えるでしょう。一時金の金額は20万円まで設定できます。最高20回までが対象ですが、退院後180日以内の入院は前の入院が続いているものとみなされ、給付されません。

対象となる感染症は、新型コロナウイルス感染症の他、コレラ、ペスト、O-157などです。感染症については加入後(責任開始日から)10日以内の発症は対象になりません。

新型コロナウイルスで「災害入院一時金」が支払われると言われると違和感を覚えますが、「感染症プラス入院一時金保険」は、実は「販売呼称」(ニックネーム)で、保険商品としての正式名称は「災害入院一時金保険」というものです。保障の対象として不慮の事故によるケガに、一定の感染症を加えているわけです。感染症がケガと同類に扱われているわけですが、これは必ずしも珍しいことではありません。

終身保険や定期保険などの死亡保障にはたいてい「災害割増特約」が付いています。不慮の事故で無くなった場合に上乗せされるのですが、これには「所定の感染症」も含まれています。一方、入院した場合に給付金が出る医療保険では入院保障の上乗せとして「災害入院特約」が付いています。こちらには感染症は含まれていません。今回発売された太陽生命の「災害入院一時金保険」という特約は、死亡保障の「災害割増特約」にならって、「所定の感染症」をも対象にしたわけです。これは私の推測ですが、入院特約のように支払いがずっと続く保険ではなく、入院時に1回払うだけなので感染症を対象にすることができたのだと思います。

保険料はどのくらいなのか、40歳男性の例で見てみましょう。インターネットで申し込む「入院一時金保険(入院重点プラン)」に付ける場合です。

例<40歳男性、入院一時金保険:10万円、災害入院一時金保険(感染症プラス入院一時金保険):10万円、生活習慣病一時金特約:10万円、先進医療特約:1回1,000万円まで、保険料払込免除特約>⇒月額保険料2,676円

「感染症プラス入院一時金保険」だけの保険料は、サイトでは確認できませんでした。入院一時金保険と感染症プラス入院一時金保険を、限度額の20万円に設定すると、新型コロナウイルスに感染して入院した場合に、その入院期間にかかわらず、40万円が受け取れます。

入院しなければ保険金が出ないということになっていますが、新型コロナウイルス感染症の場合は、医師の指示による自宅待機や施設隔離も入院と同じ扱いにしています。このあたりは、他の保険会社でも同様の扱いをしています。

ケガの保障に感染症を加えただけですから、「新型コロナウイルスのための保険」とは言い切れない面もありますが、新しいリスクに対して、いち早く保障を設けたことは賞賛に値するでしょう。

他に新型コロナに対応する保険としては、少額短期保険会社の「justInCase」が「コロナ助け合い保険」という商品を出しました。こちらは1泊以上の入院で10万円の一時金が出ます。もっとも正式名称は「総合医療保険」で、新型コロナに限らずすべての入院を対象にしています。新型コロナについては、自宅や臨時施設で医師の診断を受けた場合も対象になります。新型コロナも対象になっていますが、「新型コロナのための保険」ではありません。

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