自転車でヘルメットの着用が義務化

道路交通法の改正で、今年(2023年)の4月1日より、自転車に乗る場合にヘルメットの着用が「努力義務」になりました。今までは13歳以下の子供だけが対象でしたが、これからはすべての人が着用しなければなりません。条文では、以下のようになっています。

道路交通法 第63条の11

第1項 自転車の運転者は、乗車用ヘルメットをかぶるよう努めなければならない。

第2項 自転車の運転者は、他人を当該自転車に乗車させるときは、当該他人に乗車用ヘルメットをかぶらせるよう努めなければならない。

第3項 児童又は幼児を保護する責任のある者は、児童又は幼児が自転車を運転するときは、当該児童又は幼児に乗車用ヘルメットをかぶらせるよう努めなければならない。

もっとも、「義務」ではなく、「努力義務」となっており、着用をしなくても罰則はありません。ただし、お巡りさんやパトカーに見つかると、止められて注意を受けることになります。急いでいるときに〝指導〟をされても困りますし、何よりも自分の命を守るためにも、ヘルメットの着用を心が得たいものです。今は煩わしいという気持ちになりますが、多くの人が着用するようになると、それが〝当たり前〟になるでしょう。

さっそくヘルメットを購入するという方のために、選ぶポイントをご紹介します。まず、「自転車用ヘルメット」を選んでください。バイク用とは違います。自分の頭にフィットして、苦しくないものを選ぶのはもちろんですが、それ以外のポイントとして、3点を挙げておきます。1つは、安全性の認証を得ているかどうかです。日本の規格としては製品安全協会による「SG規格」があります。耐衝撃性やあごひもの強度、脱げにくさなどの規格に適合したものに「S」をデザイン化したマークがついています。そのほか、アメリカの基準である「CPSC」、EUの基準の「CE」を取得しているものもあります。かなり安いものは、認証を取っていませんので、安全性が担保されていません。ただし、海外の認証を得ている外国製品は、日本人の頭の形に合っていない場合がありますので、注意してください。

2つ目は、重量です。重いと着けるのが苦痛になります。丈夫で、なおかつ軽いものが良いでしょう。目安として、300グラム以下のものを選ぶとよいでしょう。

3つ目はデザインです。これも大切です。大きく分けると、ロードバイク用にも使われる、空気穴がたくさんある流線型のものと、小さなつばがついた帽子タイプがあります。流線型のものは蒸れにくく、カッコいいのですが、通勤や買い物に使うにはちょっと違和感があるかもしれません。ヘルメットの着用義務化を受けて、デザインも豊富になりましたので、いろいろと見て、気に入ったものを選んでください。せっかく買っても、着用しなければ意味がありませんので。

今回、ヘルメットの着用が義務化された背景には、交通事故に占める自転車の割合が増えていることが挙げられます。交通事故全体では、件数は減少傾向が続いていますが、自転車の事故はそれほど減っていないのです。最近では、交通事故の20%強が自転車関連の事故になっています。

そして、自転車事故による死亡事故のうち6~7割が頭部の損傷となっています。ヘルメットを着用することで、着用しなかった場合に比べて、致死率が半分以下になるといいうデータもあり、ヘルメットの重要性がわかります。

一方、自転車は加害者となることもあり、警察でも取り締まりの強化する方針です。自転車による、主な道路交通法違反には次のようなものがあります。

  • 自転車の通行場所:自転車は車道の左側を通行するのが原則です。歩道を通行してよいのは、その旨の標識がある場合、高齢者や児童・幼児、やむを得ない場合、などとなっています。
  • 一時停止違反:交通違反というだけでなく、自転車事故の大きな要因になっています。
  • 夜間の無灯火:夜間は自転車もライトをつけることが義務になっています。
  • 飲酒運転:自転車も飲酒運転は犯罪です。
  • 二人乗り:小学校入学前の子供であれば、幼児専用座席に乗車させることができます。幼児2人同乗用の自転車であれば、2人まで乗車させることができます。
  • 片手運転:スマホや携帯を操作しながらの運転は法令違反です。裁判でも厳しい判決が出ています。

これらは、いずれも道路交通法違反で、罰金や懲役などの罰則があります。すぐに罰則が適用されなかったとしても、「指導警告票」が交付され、違反が繰り替ええされた場合は罰罰則の適用や「自転車運転者講習」の受講を命じられます。講習の受講は有料になります。

2023.3.30記

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