多くの保険会社から、実に多種多様な医療保険が販売されています。
医療保険は、病気やケガの治療費に備える保険ですが、その多くは「入院給付金」と「手術給付金」で構成されています。
多種多様な商品が出ていますが、いずれもこの2つを少しアレンジした程度で、それほど大きな違いはないのが現状です。
そのうち「入院給付金」は、入院した場合に1日当たり5,000円や1万円が出る保障です。
入院した期間に応じて給付金が出ます。
ところが最近は、入院期間が短くなる傾向があり、同じ病気でも以前より早く退院となります。
すると、「入院給付金」は支給される金額が減ってしまいます。
がんのような重篤な病気ですら、入院をせずに治療することもありますが、その場合は「入院給付金」はまったく出ないことになります。
そこで、新しく販売される医療保険では、通院を対象とした「通院給付金」を設けたり、がん保険では「がん診断一時金」を高額にするなど、保険商品も変化してきています。
それでも入院が長期化していた頃と比べると、医療保険の存在価値は低下しつつあると言えるでしょう。
しかも、医療保険はどの保険会社からもいくつもが販売されており、すでに飽和状態と言えます。
保険会社は新しい需要を求めて、試行錯誤している状況です。
そんな中、メディケア生命がまったく新しい概念の医療保険を発売しました。
医薬品にかかる費用を保障する〝お薬保険〟です。
商品名「メディフィットEX」は、今のところは医療保険のカテゴリーに入ると考えられますが、正式名称は「薬剤治療保険」となっており、同社でも「おくすり保険」と銘打っています。
もちろん、日本で初めてとなるタイプの保険商品です。
具体益な保障の内容としては、「メディケア生命指定の薬剤による治療」を受けた場合に、毎月5万円の給付金が出るようになっています。
さらに、抗がん剤による治療を受ける場合は、別途10万円が毎月支払われます。
加入時に上限を60ヶ月または120ヶ月から選ぶようになっており、その間は毎月給付金が支払われ続けます。
入院の有無は問われません。
つまり、入院中であっても、退院した後でも、入院がなくても、すべて対象になります。
給付の対象になる病気は、がんと心疾患、脳血管疾患の3つをとした3疾病型と、それに加えて、動脈・静脈疾患、腎疾患、肝疾患、膵(すい)疾患、糖尿病、脂質異常症の9疾病型の2タイプがあります。
当然のことながら、上限が高く、対象が広い方が保険料は高くなります。
ちなみに保険料は、
男性40歳 60ヶ月 9疾病型 で月額 4,230円
女性40歳 60ヶ月 9疾病型 で月額 3,805円
となります。
通常の医療保険が「入院した日数」に応じて給付が出るのに対し、「投薬治療を受けている月数」に応じて給付金が出るわけです。
入院して投薬を受けるのも、通院で投薬を受けるのも対象です。
「医療保険」としてこの商品に単体で加入するのもよいですし、現在加入している医療保険に加えて加入するのもよいでしょう。
メディケア生命指定の薬剤は、「高血圧治療薬」のような分類で指定されるのではなく、具体的に1つ1つの薬品名ごとに指定されています。
その数は1,400種類にも及び、新薬も対象になるそうです。
メディケア生命の専用サイトで確認することもできます。
ただし、同社のアンケート調査によると、対象になっている疾患のうち、指定された薬剤による治療をした割合は、2.1%~51.8%となっています。
指定の薬剤による治療の割合が半分にも満たないということは、対象の病気になっても給付金が払われないことの方が多いということです。
また、給付金を受けるには、その月の「診断証明書」または「調剤明細書」が必要で、ある程度の期間をまとめて提出してもよいとはいっても、手間はかかります。
この辺りは、デメリットといえるでしょう。
メディケア生命は、住友生命100%の子会社で、ネットと銀行窓販専用の保険会社です。シンプルな保障内容で、保険料が安いことを売りにしています。
社名も、メディカル(医療)とケア(介護)からの造語で、「メディフィットA(エース)」などの医療保険を中心に販売しています。
そんな保険会社が、今までにないユニークな保険を、初めて出しました。
今後〝お薬保険〟という新しい分野ができるかは、この商品の売れ行き次第でしょう。
他社が追随してくれば、商品間の競争が生まれ、より使いやすく改善されるのではないかと思います。
指定される薬剤が増えたり、給付金請求の手間が軽減されることでしょう。当面は、この保険から目が離せません。

