経済雑誌で「お勧めの生命保険」という記事があり、そのアンケートに回答しました。何人かのFPから集められたアンケート結果が集計されて、雑誌に掲載されました。その結果と私がお勧めに挙げたものの比較の3回目です。最終回の今回は「就業不能保険」と「民間介護保険」「認知症保険」です。
(商品名が太字のものは、アンケート結果と私がお勧めとして選んだものの両方でベスト3に入っているものです。保険会社名の「保険」は省略しています。)
<就業不能保険>
| アンケート | 私のお勧め | |
| 1 | 働けないときの安心(アクサダイレクト) | くらすプラス(チューリッヒ) |
| 2 | 働く人への保険2(ライフネット) | 働けないときの安心(アクサダイレクト) |
| 3 | くらすプラス(チューリッヒ) | 働く人への保険2(ライフネット) |
本日取り上げる保険は、3種類とも取り扱っている保険会社は限られています。定期保険や医療保険のように、どの保険会社もが発売しているものではありません。それだけに、選択肢が限られてきます。
「就業不能保険」は、病気やけがで働けなくなった場合に、毎月一定の給付金が出る保険です。「収入保障保険」と名前が似ていますが、内容はまったく異なります。(「収入保障保険」は、死亡した場合に年金形式で保険金が出る保険です。)
医療保険も病気やけがの際の経済的な損失に備えるものですが、医療保険が入院している間だけ給付金が出るのに対し、就業不能保険は「仕事ができない状況」であれば、自宅療養をしていても給付金が出ます。そうすると、「本当は働けるのに、偽って給付金をもらう輩が現れるのではないか」ということが心配になります。そのため、多くの保険会社は発売に及び腰で、扱っている保険会社は多くありません。扱う場合も、死亡保険などにオプションとして付けることが多く、単品で商品としている保険会社は極めて少ない状況です。それだけに、ベスト3に挙げられた商品はすべて重複しています。今のところは、この3つだけではないでしょうか。
私は、精神疾患に対する対応が充実している「くらすプラス」を第1位に挙げました。
<民間介護保険>
| アンケート | 私のお勧め | |
| 1 | あんしん介護(朝日) | 介護のささえ(明治安田) |
| 2 | 米国ドル建て介護保障付終身保険(ジブラルタ) | My介護Best(太陽) |
| 3 | 長生き支援終身(東京海上日動あんしん) |
「介護保険」と言えば誰もが、40歳以上のすべての人が加入する社会保険の「介護保険」を思い浮かべます。(保険会社の商品を思い浮かべるのは保険業界の人ぐらいでしょう。)
介護が必要になった際に利用できる社会保険と、その上乗せの保障として保険会社が販売している保険商品の、両方ともが「介護保険」という名前ですので、紛らわしいです。区別するために、社会保険の方を「公的介護保険」、保険会社の商品を「民間介護保険」と言ったりします。
どの程度からを保障の対象にするのかが各社の判断が分かれます。年齢とともに徐々に心身が衰え、少しずつ介護が必要になってきますので、死亡や入院のように明確な基準がありません。以前は、保険会社が独自に基準を設けて、それに該当するようになった場合に保険金が出るものが中心でしたが、最近は公的介護保険での介護認定のレベルを基準とするものが多くなっています。公的介護保険の制度に便乗しちゃっているわけです。
その是非はともかく、ファイナンシャル・プランナーのアンケートでは、保険金支払いの基準が低い商品が上位に来る傾向があります。アンケート結果の第1位「あんしん介護」は、要介護1から保険金支給の対象で、それより軽い要支援2で一時金を受け取れるものも発売を始めたそうです。第2位、第3位も要介護からが対象で、保険金の支払いとなる基準が広いことを評価しています。私は逆に、支払いの基準が高い方が良いと考えます。第1位に挙げた「介護のささえ」は要介護3からが対象で介護保険の中では基準が高い方です。介護認定のレベルが低いうちは、経済的な負担はあまり重くないため、保険金を必要とするほどではないと考えています。
<認知症保険>
| アンケート | 私のお勧め | |
| 1 | 笑顔をまもる認知症保険(SOMPOひまわり) | 笑顔をまもる認知症保険(SOMPOひまわり) |
| 2 | あんしん介護認知症保険(朝日) | ひまわり認知症予防保険(太陽) |
| 3 | ひまわり認知症予防保険(太陽) |
認知症保険は、商品が少なくなっています。主だったものがここに挙げられている商品と考えてよいでしょう。まだ登場したばかりですので、これから徐々に取り扱いが増えていくものと思います。
認知症でも介護認定はされますから、基準の程度になればば「民間介護保険」での給付の対象になります。認知症保険はその中でも、認知症だけに給付を限定したものです。ちょうど、入院すべてを対象にする「医療保険」とがんだけを対象にする「がん保険」との関係に似ています。「がんになるとお金がかかるらしい」という不安が広まって、がん保険も加入者が増えていきました。(現在は必ずしもお金がかかるとは限りませんが。。。)「認知症は特に大変だ」という認識が広まると、認知症保険への加入も増えてくることでしょう。最近は認知症のことがマスコミでもしばしば取り上げられるようになってきており、関心は高まってきているようです。いずれ各社が追随し、商品も増えてくることでしょう。
2020.1.19記

