では、共働き夫婦の場合はどうでしょうか?
収入が多い方を〝一家の大黒柱〟とするのでしょうか?
夫婦とも同期の公務員で、収入がまったく同じという夫婦も少なくありません。
残業代によって、毎月代わる。。。では、混乱が起きそうです。
法律の運用の詳細を決める「施行令」というもので、このように決めていました。
国民年金法 施行令
第六条の四(遺族基礎年金等の生計維持の認定)
法第三十七条の二第一項に規定する被保険者又は被保険者であつた者の死亡の当時その者によつて生計を維持していた配偶者又は子(中略)は、当該被保険者又は被保険者であつた者(中略)の死亡の当時その者と生計を同じくしていた者であつて厚生労働大臣の定める金額以上の収入を将来にわたつて有すると認められる者以外のものその他これに準ずる者として厚生労働大臣が定める者とする。
言葉を換えると、このように言い表すことができます。
- 夫婦で家計が同じである。(別居していても、生活費が出ていればOK)
- 「厚生労働大臣が定める金額以上の収入が続くと見込まれる人」以外の人
上記の1と2の両方を満たす人となります。
2の「厚生労働大臣が定める金額」は別途決まっていて、現状では「年収850万円」となっています。妻の年収850万円が以下であれば、「夫に扶養されている」とみなされます。(一時的になら超えていても大丈夫です。)
夫の年収は関係ありません。
夫よりも妻の収入が多くても、妻の収入が850万円を超えていなければ、「夫に扶養されている」ことになり、夫が死亡した場合に、遺族基礎年金を受け取れます。
遺された妻と子に配慮して、かなり広く認定していますが、今までは問題にはなりませんでした。
もらえるのは、妻に限られており、たいていは夫よりも収入が少なかったからです。
ところが、妻が死亡して、遺された夫に遺族基礎年金が支給されるようになると、支障が出てきます。
夫が年収850万円以下であれば、「妻に扶養されている」ということになり、遺族基礎年金がもらえるようになってしまいます。
たいていは夫の方が収入が多いのですから、「死亡の当時その者によつて生計を維持し」ていたこと、という法律の趣旨に反してしまいます。
ましてや専業主婦や扶養の範囲内で働いているパート主婦が一家の大黒柱(生計を維持していた)とはとても言えません。
そこで厚生労働省では、「被保険者」(死亡した人)の対象から「第3号被保険者を除く」という条件を付けようとしました。
第3号被保険者とは、会社員などのお勤めの人に扶養されている配偶者です。
そうすれば、専業主婦やパート主婦が亡くなったことで夫が遺族基礎年金をもらう事態を避けることができます。
法律はすでに決まっていましたので、「施行令」で条件を付けるつもりだったようです。

