現在でも、入学金や授業料などの教育費をその都度支払うのであれば、祖父母がお金を出しても贈与税は課税されていません。
その都度払うのではなく、事前にまとめてお金を渡す場合には贈与税がかかるようになっています。
この制度では、事前にまとめてお金を渡す場合に、贈与税がかからないようにするものです。
余命いくばくもない祖父母が、将来の孫の教育費を、事前に渡しておくにはちょうど良い制度です。
しかし、贈与を受けた資金の使い道は、「教育費」に限られています。
それ以外に使った場合には贈与税がかかります。
大手信託銀行のうち、三菱UFJ信託銀行以外は、引き出しに当たり、領収書が必要ですので、目的外の引き出しすらできません。
教育費の場合であっても、いったん親が立て替え払いをして、事前に領収書をもらっておく必要があります。
そして、30歳になった時点で、お金が余っていたら、その時点で贈与を受けたものとみなして、贈与税がかかります。贈与税の税率は高いです。相続税がかからない人の場合はもちろん、相続税がかかる資産家であっても、孫に相続した方がよかったということにもなりかねません。本人が大学や専門学校への進学を希望しないとなったら、節税策が増税策になってしまいます。
資金は完全に金融機関に〝確保〟されており、領収書の提出が義務付けられていますので、ごまかしは利きません。
脱税を勧めるわけではありませんが、少額であっても融通の余地はありません。
例えば、大学進学のための下宿代、仕送り、受験のための宿泊費などは対象となりません。
また、海外留学渡航費や勉強のための図書購入費などもダメです。
かえって使いづらいように思います。
教育費が必要なその都度、祖父母がお金を出してやり、それ以外に必要な場合は年間110万円の非課税枠の範囲内でお金を渡す。
そして最後は相続によって財産を渡す。
もし、早めに資金が必要な場合は、相続時精算課税制度を利用してお金を渡す。
相続税がそれほど大きくかからないのなら、この方法が、安全で確実です。
「教育資金の一括贈与に係る贈与税の非課税措置」は、そう遠くないうちに、かなりの相続税が発生することが見込まれるので、なんとしても相続財産を減らしたいという人に適した制度といえるでしょう。

