ひきこもりのライフプラン①

最近、「ひきこもり」の支援にかかわるようになりました
いわゆる「ひきこもり」と言われる状況の人の数は増えており、また高齢化が進んでいるという傾向があります。
先日は、50代の子供が「ひきこもり」であるという親からの相談があり、驚かされました。
今回は、子供がひきこもり状態になっている場合のライフプランについて考えます。

一言に「ひきこもり」と言っても、ニート(定職がなく、親と同居している状況)で自室にこもりがちな状況から、精神疾患を伴うものまで、その状態は千差万別です。
それだけに、専門家のアドバイスを受けながら、回復に向けた適切な支援が必要です。
しばしば、「親がいて衣食住に困らないから甘えている」と、精神論で論じる向きがあります。
確かに親との同居が、ひきこもりができる条件となっており、日本や韓国など親との同居率が高い国に多い現象となっています。
しかし、欧米などの同居率が低い国では「若年ホームレス」が多い傾向があり、衣食住にこと欠けば〝働くはず〟とは言えません。

ひきこもり問題の専門医である斉藤環氏は、「慢性化したひきこもり状態に対する説得・議論・叱咤激励などは、有害無益なものでしかありません」と指摘しています。
本人は既に現状が良くない状況であることは十分に認識しているので、その点を責められると、かえって攻撃的になり、治療や支援の手を受け入れなくなってしまうからです。

まずは、親だけで相談窓口に定期的に通い、ひきこもりに対する認識を持つことから始めるとよいでしょう。
そして、両親がともに、本人のひきこもり状態を丸ごと受け入れ、子供との信頼関係を築きます。
本人が家族に対して、安心や共感を持つことで、初めて治療や支援を受けるようになるからです。
相談窓口としては、「ひきこもり地域支援センター」または「精神保健福祉センター」などがあります。
いずれも都道府県ごとや政令指定都市に設置されています。

やがて、本人にも一緒に相談に行くことを誘うことになりますが、時間をかけて慎重に繰り返していく必要があります。
支援団体や専門機関の人に、自宅に来てもらうのも一つの方法です。
この場合も、部屋の外から一声かけるという、控えめな働きかけから始めることになります。
いずれも、本人の反応を確かめながら、少しずつ進めていきます。
それができてくると、今度は支援団体などの「たまり場」や自助グループの作業所などに通う集団適応支援となります。
この段階の注意点としては、本人の就労を焦らないことです。
親による就労の勧めよりも、同じ仲間が頑張っている姿の方が本人に就労意欲をもたらします。
親として、アルバイト、そして正社員としての就職してくれることを望むのは当然のことですが、ただでさえ就職、正社員採用が難しい経済状況です。
少しでも収入を得てくれればよし、とするぐらいに考えておく必要がありそうです。

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