今、話題になっている、金融審議会 市場ワーキング・グループの報書「高齢社会における資産形成・管理」の内容をご紹介します。麻生大臣が受け取りを拒否して、自民党の国対委員長が「もうなくなった」と言った〝まぼろし〟の報告書です。50ページぐらいのものの、ポイントをまとめました。いいことが書いてあります。(下線部はそのままの抜粋)
1.資産形成・管理の現状
(1)人口動態の変化
l 長寿化の進展:1950年ごろに60歳であった男性の平均寿命が、現在では81歳まで伸びている。現在の60歳の1/4は95歳まで生きるという試算もあり、「人生100年時代」を迎えている。
l 単身世帯の増加:人口構成の変化やライフスタイルの多様化で、単身世帯の割合が上昇している。それに伴い、持ち家比率は60歳未満でかつてと比べて低下が著しい。かつてのモデル世帯は空洞化してきている。
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認知症の人の増加:65歳以上の7人に1人が認知症とされており、その数は増加している。今後、成年後見制度を利用する人の増加が予想され、制度の枠組みに入る金融資産をどう管理していくかが課題である。
【米国におけるプルーデント・インベスター(慎重な投資)ルール】
資産形成においては分散投資が有効である。米国ではこうした考えに基づき、成年後見人にも資産管理に分散投資が義務付けられている。
(2)収入・支出の状況
l 平均的収入・支出:高齢夫婦無職世帯の平均的な姿で見ると、毎月の赤字額は約5万円となっている。この毎月の赤字額は自信が保有する金融資産より補填することとなる。
l 就労状況:60代後半では、男性の55%、女性の34%が働いており、この比率は世界でも格段に高い水準となっている。高齢者の就労意欲と能力は高く、今後も就労継続が続くと考えられる。一方、若年層は働き方が多様化しており、老後を支える退職金給付では不利な面がある。
l 退職金給付の状況:退職金の平均額は1,700~2,000万円程度となっており、ピークから3~4割減少している。退職金の有無、その金額は退職後の生活に大きな栄光を及ぼしうるため、早い段階からよく確認しておく必要がある。また、退職金で投資を行う際には、必要な金融知識を事前に身につけてから臨むことが望ましい。
(3)金融資産の保有状況
l 65歳時点での金融資産の平均保有状況は、夫婦世帯2,252万円、単身男性1,552万円、単身女性1,506万円となっている。「平均的収入・支出」の項目で述べた収入と支出の差である不足額約5万円が毎月発生する場合には、20年で約1,300万円、30年で約2,000万円の取崩しが必要になる。
l 場合によっては金融資産がさらに必要になるので、早い時期から生涯の老後のライフ・マネープランを検討し、老後の資産取崩しなどの具体的なシミュレーションを行っていくことが重要である。
l 米国では、75歳以上の高齢世帯の金融資産は20年で3倍に伸びている。市況が好調だったことに加え、401(k)プランなどの制度的な後押しもあった。日本でも、NISAやiDeCo等が整備され、個人が長期の資産形成を行う環境が整いつつある。
(4)金融環境に対する意識
アンケート調査では、淡河に対する不安要因として「お金」が挙げられていることが多いものの、「老後に向け準備したい公的年金以外の資産」として「証券投資(株式や債券、投資信託など)」を上げた者は2割以下に留まっており、意識と行動に乖離がある。投資による資産形成の必要性を感じつつも、投資を行わない理由として上位を占めているのが、「まとまった資金がない」、「投資に関する知識がない」、「どのように有価証券を購入したらよいのかわからない」という回答であり、顧客側の問題に加え、金融機関側が顧客のニーズや悩みに寄り添いきれていない状況が窺える。%MCEPASTEBIN%

