民主党政権の時代に、支給開始のさらなる引き上げが検討されました。
しかし、批判が出て、すぐに案を引っ込めてしまいました。
今回、再び引き上げを検討することになります。
もし実行されるとすると、現在の引上げスケジュールの後に、徐々に支給開始年齢を引き上げ、68~70歳前後とすることが考えられます。
年金財政はひっ迫しており、日本の公的債務は1,000兆円を超えています。
支給開始年齢を引き上げることで、年金財政が悪化するのを防ぐわけですが、厚生労働省の言い分ではそれだけではありません。
平均寿命が延びているため、年金をもらう期間が長くなっているというのです。
国民年金の支給開始を65歳に引き上げることを決めた昭和60年から比べると、男性は5年、所税は6年、平均寿命が延びているのです。
支給開始を引き上げても、年金をもらう期間の平均はそれほど変わらないことになります。
まだ平均寿命が延びていることを考えると、支給開始年齢のさらなる引き上げが必要だとしています。
さらに、海外でも支給開始年齢の引上げは進められており、アメリカやドイツでは67歳まで、イギリスでは68歳まで引き上げるスケジュールが組まれています。
これらの国よりも日本の方が平均寿命は長いので、引き上げもやむを得ないと主張しています。
年金の支給開始年齢の引上げを受けて、雇用の延長が求められています。
厚生労働省としては、定年退職から年金の支給開始までの〝収入の空白期間〟をできるだけ短くしたいという意向があります。
法律によって、65歳までの雇用延長を企業に義務付けました。
多くの企業では定年は60歳のままにして、その後は〝再雇用〟として待遇を変えて雇用する方法を選んでいます。
定年再雇用はかなり浸透してきており、60歳の時点でリタイアするかどうかを選択できるようになっています。
再雇用で60歳以上も働き続けると、厚生年金の加入も続くことになります。
働いている間は、70歳までは厚生年金の被保険者として、厚生年金の保険料を払い続けます。
国民年金加入者は、60歳以降に働いていても、保険料を払うのは60歳までとなっています。
それに対して、お勤めの人は60歳以降も年金の保険料を払います。
もちろん、払い続けた分だけ、受け取る年金の金額は増えていきます。そこで今回、国民年金の保険料を支払う期間を65歳まで延長する案が出されました。
現在、自営業者などが加入する国民年金は、20歳から60歳までの40年間、保険料を払うことになっています。
それを20歳から65歳までの45年間にする案を検討することになりました。
厚生年金では60歳以上も払っているのだから、国民年金も、というわけです。
ただ、厚生年金に加入している人は、すべて〝働いている人〟です。
それに対して、国民年金に加入しているのは、自営業として働いている人ばかりではありません。
無職の人も国民年金に加入しており、原則として毎月保険料を支払う必要があります。
もっとも収入がない場合は、申請することによって保険料の支払いが免除される制度はあります。

