国民年金や厚生年金の保険料を払っていた人は65歳になると、「老齢基礎年金」が受け取れます。
また、一定の障害を負った場合は「障害基礎年金」が、一家の働き手を失った遺族は「遺族基礎年金」がもらえます。
「老齢基礎年金」をどれくらいもらえるかは、年金の保険料を払っていた期間によって決まります。
20歳から60歳までの40年間払っていた場合に満額となり、この金額が毎年変わります。
平成30年度(平成29年4月から30年3月まで)は、年額779,300円(月額64,941円)で、昨年度から変わりありません。
この満額の金額は、物価や現役世代の賃金の変動に応じて変わるようになっています。
- 67歳までの人は、現役世代の名目手取り賃金変動率に基づいて変更します。
- 68歳以降の人は、物価変動率に基づいて変更されます。
- その上で、上記の上昇率よりも少し抑えるようになっています。これを「マクロ経済スライド」といいます。
- この「マクロ経済スライド」による調整は、年金額がマイナスとなる場合は〝適用しない〟ことになっていました。ただし、今年からは〝先延ばし〟することになりました。
このように、67歳までと68歳以降で、年金額が異なるようになっていますが、両者の差が大きくならないように、制約が設定されています。
名目手取り賃金上昇率と物価上昇率が、
- どちらもプラスで物価変動率の方が大きい⇒両者とも名目手取り賃金変動率を基に計算する
- どちらもマイナスで、物価変動率の方が大きい(マイナスの値が小さい)⇒両者とも物価変動率を基に計算する
- 物価変動率がプラスで、名目手取り賃金変動率がマイナスの場合 ⇒ 両者とも変動なし
今回扱う数値では、名目手取り賃金変動率が-0.4%、物価変動率が0.5%となっています。
③の制約が適用されることになり、「両者とも変動なし」が適用されます。
なお、「マクロ経済スライド」による調整幅は‐0.3%ですが、適用してしまうと年金額がマイナスとなります。
そこで〝先延ばし〟が適用され、今年度は引き下げはなしとなります。
この‐0.3%分は、年金額がプラスとなる年に適用されることになります。
| 期間 | 月額 | 年額 | 変動率 |
| 平成24年度(H24.4-25.3) | 65,541円 | 786,500円 | ‐0.3% |
| 平成25年度前半(H25.4-25.9) | 65,541円 | 786,500円 | 0.0% |
| 平成25年度後半(H25.10-26.3) | 64,875円 | 778,500円 | ‐1.0%(特例水準解消①) |
| 平成26年度(H26.4-27.3) | 64,400円 | 772,800円 | 0.3‐1.0=‐0.7%(同②) |
| 平成27年度(H27.4-28.3) | 65,008円 | 780,100円 | +0.9% |
| 平成28年度(H28.4-29.3) | 65,008円 | 780,100円 | 制約に該当し、変更なし |
| 平成29年度(H29.4-30.3) | 64,941円 | 779,300円 | ‐0.1% |
| 平成30年度(H30.4-31.3) | 64,941円 | 779,300円 | ±0.0% |

