平成27年度の国民年金の金額

国民年金や厚生年金の保険料を払っていた人は65歳になると、「老齢基礎年金」が受け取れます。
また、一定の障害を負った場合は「障害基礎年金」が、一家の働き手を失った遺族は「遺族基礎年金」がもらえます。

「老齢基礎年金」をどれくらいもらえるかは、年金の保険料を払っていた期間によって決まります。
20歳から60歳までの40年間払っていた場合に満額となり、この金額が毎年変わります。

平成27年度(平成27年4月から28年3月まで)は、年額780,100円(月額65,008円)となります。
昨年度に比べて、7,300円(年額)増えました。今年から「マクロ経済スライド」という計算方式が適用されました。
その方式で計算された金額がこの金額です。

かつては年金の金額は、物価の動きに応じて変わる「物価スライド」となっていました。
ところが、デフレとなり、計算をすると年金額が減ってしまう事態となり、〝特例〟で年金額を据え置きました。
平成16年の制度改正で「マクロ経済スライド」が導入されましたが、すでに〝特例〟で計算よりも高い金額を支給していますので、つじつまが合いません。
そこで、〝特例〟の計算方法を作り、「マクロ経済スライド」で計算した金額と〝特例〟で計算した金額の高い方を年金の金額とすることにしました。
それ以降、毎年2つの金額を計算して、高い方の金額(実際には、いつも〝特例〟で計算した方金額)となっていました。
ちなみに、「マクロ経済スライド」は、「物価の上昇よりも、年金の上昇を少し抑える」計算方法で、基本的には物価の影響を受けていることには変わりありません。

デフレが続き、本来適用するはずだった「マクロ経済スライド」での金額と、実際に支給している金額(〝特例〟で計算した金額)が離れてしまいました。
そこで、物価の動きとは別に、年金の金額を引き下げるようにしました。
H25年10月に1%(1回目)、H26年4月に1%(2回目)、H27年4月に0.5%(3回目)の引き下げをすることになりました。
これに、物価の変動を加味したものが〝特例〟としての年金額となります。
昨年(H26)4月の改訂では、離れ過ぎを解消するための引き下げ1%と物価の上昇による年金額のアップが0.3%で、差し引き0.7%の引き下げとなりました。
そして、H27年度。
前年(H26年)の物価上昇率は2.7%でした。

  • 特例での計算:2.7%-0.5%(離れ過ぎ解消)=2.2%⇒据え置き:772,800円
  • マクロ経済スライド:780,900円(基準となる金額)×0.999(「マクロ経済スライド」の方式で計算された数値)=780,119.1円⇒780,100円

確かに、受け取れる年金の金額は上昇しました。
しかし、昨年の物価の上昇が2.7%だったことを考えると、実質的には〝減った〟と考えた方がよいでしょう。

※厚生労働省のプレスリリースにより
手取り賃金上昇率(2.3%)-マクロ経済スライド調整率(0.9%)-特例水準の解消(0.5%)=0.9%⇒昨年の年金額より0.9%の上昇
と説明されることが多いのですが、適切な説明ではありません。
昨年までとはまったく別の計算方法で計算された金額です。
この結果、金額の高い「マクロ経済スライド」で計算された780,100円が適用されることになりました。

 <国民年金の金額の推移>

期間 月額 年額 変動率
平成24年度(H24.4-25.3) 65,541円 786,500円 ‐0.3%
平成25年度前半(H25.4-25.9) 65,541円 786,500円 0.0%
平成25年度後半(H25.10-26.3) 64,875円 778,500円 ‐1.0(特例水準解消①)
平成26年度(H26.4-27.3) 64,400円 772,800円 0.3‐1.0=‐0.7%(同②)
平成27年度(H27.4-28.3 65,008(+608円) 780,100(+7,300円) マクロ経済スライドでの計算による

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