では、収入が少ない家庭の負担が減ったかというと、そうとは言えないところに難しい点があります。
先にも述べましたように、各自治体(都道府県)で独自に、上乗せの給付を行っています。
各家庭は、国の支援金と自治体の給付の合計の金額を受け取っていますが、その上限は高校の授業料となっています。
公立の場合は、そもそも授業料が無料となっており、それ以上の給付はありません。
私立でも国の支援金と自治体の給付の合計額が授業料よりも多かったとしても、残った分が各家庭に支給されるわけではありません。
さらに、今回の国の支援金の改正を受けて、各自治体で給付の金額を変更しています。
それによって、支給の合計額が増える人と減る人がいます。
各自治体とも、もっとも多く給付する層(生活保護世帯または年収が250万円未満の世帯)で、都道府県内の私立高校の授業料の平均額が支給されるようにしています。
国の支援金が増えましたが、支給の基準を変えていないため、もっとも多く支給する層では、自治体からの給付を削減しています。
その分、それより少ない支給の層での支給を増やしています。
そのため、授業料の負担は、ご家庭によって「変わらない人」「負担が少なくなる人」とさまざまになります。
すでに今年度の給付額をサイトで公表している、3県の負担の変化を下記の表にまとめました。
「県の給付のカット」の金額がマイナスとなっているのは、給付が増えている、ということです。
神奈川県では、年収250万円以下の世帯は、国の支援金が増える分だけ県の給付がカットされ、家庭の負担は変わりません。
しかし、年収250~350万円の世帯では、国の支援金と県の給付の両方が増額となり、家庭の負担は9万円も少なくなります。(もちろん、上限は授業料です。)
| 神奈川県 | |||
| 世帯年収目安 | 1年生の負担減 | 県の給付のカット | 国の支援金増加 |
| 250万円未満 | 0 | 59,400 | 59,400 |
| 350万円未満 | 90,000 | -30,600 | 59,400 |
| 590万円未満 | 59,400 | 0 | 59,400 |
| 750万円未満 | 0 | 0 | 0 |
| 910万円未満 | 0 | 0 | 0 |
| 愛知県 | |||
| 世帯年収目安 | 1年生の負担減 | 県の給付のカット | 国の支援金増加 |
| 250万円未満 | 3,600 | 55,800 | 59,400 |
| 350万円未満 | 3,600 | 55,800 | 59,400 |
| 610万円未満 | 24,000 | 35,400 | 59,400 |
| 840万円未満 | 16,800 | -16,800 | 0 |
| 910万円未満 | 0 | 0 | 0 |
| 兵庫県 | |||
| 世帯年収目安 | 1年生の負担減 | 県の給付のカット | 国の支援金増加 |
| 生活保護 | 21,400 | 38,000 | 59,400 |
| 250万円未満 | 71,400 | -12,000 | 59,400 |
| 350万円未満 | 49,400 | 10,000 | 59,400 |
| 590万円未満 | 29,400 | 30,000 | 59,400 |
| 910万円未満 | 0 | 0 | 0 |
※単位はいずれも円。
自治体の給付は、県内の高校に通学していることが条件となっています。
そのため、県外の高校に通っている家庭は、国からの支援金しか受けられません。
今回、国からの支援金が増額となり、このような家庭では恩恵となりました。

