①基礎年金(国民年金)
国民年金や厚生年金の保険料を払っていた人は65歳になると、「老齢基礎年金」が受け取れます。また、一定の障害を負った場合は「障害基礎年金」が、一家の働き手を失った遺族は「遺族基礎年金」がもらえます。「老齢基礎年金」をどれくらいもらえるかは、年金の保険料を払っていた期間によって決まります。20歳から60歳までの40年間もれなく払っていた場合に満額となり、この金額は年度ごとに変わります。
2022年度(令和4年4月から令和5年3月まで)は満額の場合で、年額777,800円 (月額64,816円)です。昨年度に比べて年額3,100円(月額259円)の減少です。物価上昇率が▲0.2%で、現役世代の賃金上昇率が▲0.4%でしたので、年金額も▲0.4%となりました。
年金額は、物価や現役世代の賃金の変動に応じて変わるようになっています。
- 「現役世代の名目手取り賃金上昇率(3年間平均)」>「物価上昇率(前年)」の場合
- 67歳までの年金額⇒「現役世代の名目手取り賃金変動率(3年間平均)」に基づいて変更
- 68歳以降の年金額⇒物価変動率に基づいて変更
- 「現役世代の名目手取り賃金上昇率(3年間平均)」<「物価上昇率(前年)」の場合
- 年齢にかかわらず、物価上昇率に合わせて変更
- その上で、「公的年金の被保険者数(保険料を払う人数)の変化」と「平均寿命の伸び」を考慮して、上昇幅を少し抑える。(マクロ経済スライド)
- 年金額が前年に比べてプラスの場合は、調整分の減額をする。
- 変更がマイナスとなる場合は、「現役世代の名目手取り賃金上昇率(3年間平均)」の範囲内で減額する。それ以上の減額は先送りする。
- 後に、年金額の変更がプラスとなった年に、先送りした分の減額をする。
今年度は、
- 「現役世代の名目手取り賃金上昇率(3年間平均)」は▲4%
- 「物価上昇率(前年)」は▲2%
でしたので、
現役世代の名目手取り賃金上昇率(3年間平均)▲0.4% < 物価上昇率(前年)▲0.2%
となり、年齢にかかわらず、▲0.2%となります。
変更がマイナスとなっていますので、マクロ経済スライドによる調整(▲0.3%)は先送りとなります。よって、今年度の年金額の変更は、すべての年齢で▲0.2%となりました。
780,900円(昨年度)×(1‐0.4%)=777,776円⇒777,800円(100円未満四捨五入)
いずれ、景気が回復した頃に、今回先送りされた減額が実施されることになります。
近年の老齢基礎年金額の変遷
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期間 |
月額 |
年額 |
変動率 |
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2019年度(H31.4-R2.3) |
65,008円 |
780,100円 |
+0.1% |
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2020年度(R2.4-R3.3) |
65,141円 |
781,700円 |
+0.2% |
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2021年度(R3.4-R4.3) |
65,075円 |
780,900円 |
‐0.1%(下げを先送り) |
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2022年度(R4.4-R5.3) |
64,816円 (‐259円) |
777,800円 (‐3,100円) |
‐0.4%(マクロ経済スライドの下げは先送り) |
②老齢厚生年金
会社員などは、厚生年金の保険料を払い、老後には「老齢厚生年金」が、老齢基礎年金に上乗せされて支給されます。
厚生年金の保険料は、給料の一定割合を払いますので、給料が多い人が多くの保険料を払っています。そのため、老後に受け取る年金の金額は、現役時代に払った保険料によって異なります。人によって、まったく違うわけですが、前年からの比較で言えば、国民年金とまったく同じ割合で変化します。
よって、2022年度の老齢厚生年金の金額は、昨年度に比べて、0.4%の減少となります。
下記の表は、厚生労働省が示すモデルケースに基づいて計算したものです。会社員であった人は、基本的には上記の基礎年金(国民年金)と下記の厚生年金の合計額を受け取ります。今年度は、あわせて年額185万7,316円(月額15万4,776円)となります。
老齢厚生年金の標準的な金額
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月額 |
年額 |
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2019年度(H31.4-R2.3) |
90,244円 |
108万2,992円 |
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2020年度(R2.4-R3.3) |
90,441円 |
108万5,288円 |
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2021年度(R3.4-R4.3) |
90,346円 |
108万4,152円 |
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2022年度(R4.4-R5.3) |
89,960円 |
107万9,516円 |
※厚労省の示すモデルケース(40年間勤務の男性)より算出。
2022.4.23記

