前回は、介護保険サービスの種類をご紹介しました。訪問介護をはじめ、訪問入浴介護や通所介護、介護老人保健施設入居者生活介護など、いろいろな種類のサービスがあります。
今回は、そのサービスの利用の仕方についてご説明いたします。といっても、細かいルールではなく、大枠の仕組みについてなのですが、実はここが肝心です。大きく分けて、2種類の方法があるのですが、その仕組みを理解しないとうまく活用することができません。まずは前回の分類に従って見ていきましょう。
前回ご紹介したいろいろなサービスは、大きく3つに分類できました。「居宅サービス」と「施設サービス」「地域密着型サービス」です。
「居宅サービス」は、主に自宅で暮らしている人が利用するサービスです。(「主に」というのがポイントです。後に例外が出てきます。)「訪問介護」はヘルパーさんが自宅に来てくれ、入浴や食事の介助をしてくれます。通所介護(デイサービス)は、こちらがデイサービスに行き、食事やレクレーションをして過ごします。
利用の方法はこうです。まず、介護保険サービスを利用したいと思ったら、市役所などで利用の申請をします。すると訪問調査などで、希望者の〝介護ランク〟を決めます。「要支援2」とか、「要介護3」などです。そのランクによって、サービスを利用できる〝利用枠〟が決まります。ランクによって、1ヶ月にどのくらいサービスが利用できるかが決まっているのです。当然のことながら、介護の程度が重いほど利用枠は大きくなっています。
枠が決まったら、その範囲内で利用するサービスを選びます。例えば、ヘルパーさんには週3回来てもらう。デイサービスには週2回行こう、などです。サービスを行うのは民間の業者ですが、いくつもありますので、その中から選んで依頼します。このあたりは、ケアマネージャーという人に担当についてもらい、相談しながら決めていきます。
利用枠の範囲内であれば、本来のサービス料の1割から3割の料金だけ支払えばよいことになっています。多くの人は1割ですが、その人(利用者)の収入によっては2割、3割の場合もあります。本来の料金の1割程度で利用できるわけですので、かなり〝お得〟です。それでも無料ではありませんので、利用しただけ費用がかかります。利用枠が余っていても、ほとんど利用していない人もいます。確かに介護サービスを利用すると助かりますので、うまく活用して生活の質を上げることが大切ですが、何も無理して利用する必要はありません。使っただけ料金を払うのが、自宅で暮らす人の利用の仕方です。
一方、特別養護老人ホームに入居している人はどうでしょう。自宅の場合だと、ヘルパーさんが来たとき、又はデイサービスに行ったときは介護サービスを受けますが、それ以外の時間はヘルパーさんがいませんので、サービスは受けていません。サービスを受けている時間とそうでない時間は明確に分かれています。それに対して、特別養護老人ホームで暮らしているということは、常にヘルパーさんが身近にいるわけで、何かあったらすぐに介助をしてくれます。転んでしまったら、すぐに起こしてくれるでしょう。事故が起きないか、常に気を配って見守ってくれています。高齢者施設で暮らしているということはその間、常に介護のサービスを受けているということになります。「10時から12時まで」のように明確に区別できません。(24時間介護士は常駐しており、何かあれば駆けつけてくれます。)よって施設サービスは、施設に入居している間は、常にサービスを利用しているという形になります。サービスの種類を選んだり、利用の頻度を選ぶことはできません。施設サービスにいくつかの種類があるのは、施設によって料金や扱いが異なっているためです。
地域密着型サービスは、そのサービスによって利用方法が、違います。居宅サービスと同じ利用方法のものもあれば、施設サービスと同じものもあります。
それから、介護付き有料老人ホームに入居している場合。これも、特別養後老人ホームと同じで、入居中は常に介護のサービスを受けているということになります。利用方法は施設サービスと同じなのですが、介護保険の区分では「特定施設入居者生活介護」という名称で居宅サービスに分類されています。ここには注意してください。
2022.6.23記

