年の初めですので、今年1年間の見通しについて考えていきましょう。相場格言では、干支にあやかったものがあり、そこでは「辰巳天井、午尻下がり」と言われています。年末年始の〝お楽しみの話題〟という程度のもので、何の根拠もありません。NHKのニュースで紹介されましたので驚きました。
まず、アメリカの株式市場ですが、企業業績に比べてすでにかなり高い水準まで上がってしまっています。
株価が、企業業績に比べてどれほど上がっているかを示す数値にPER(株価収益率)というものがあります。
株価をその企業の「1株当たり利益」で割った数値で、この数値が高いと〝割高(株価が高過ぎ)〟とされます。過去の経緯を見ると、S&P500指数は15~18倍あたりが妥当な水準ですが、現在は23倍にまで上昇しています。企業の実態に比べて、明らかに株価は高過ぎで、その調整が起きてもおかしくはありません。
さらに、アメリカ経済は今、景気が減速しつつあります。トランプ関税の影響で物価が上昇するとの見方が多かったのですが、実際には物価はそれほど上がっておらず、むしろ景気の落ち込みという影響が出ています。輸入物価が上昇したことで、企業の投資姿勢が慎重になっているようです。今年は、トランプ関税の是非が連邦裁判で判断がなされますので、それによってまた状況が変わるかもしれません。国際情勢も予断を許さない状況です。
PERが18倍になると、約20%下落することになります。S&P500指数では5,500ポイントとなります。ただ、あくまで水準調整の一環で、リーマン・ショックやコロナ禍のような暴落が起きるわけではないとしています。その後は再び上昇し、年末には今の水準よりも高くなると見ています。
では、日本の株式相場はどうでしょう。日経平均株価のPREは現在19倍です。アメリカほどには高くありませんが、13~16倍あたりが妥当な水準とされていますので、やはり少し高過ぎです。経済状態は、それほど良くはないのですが、かといって悪いわけでもなく、緩やかな回復が見込まれています。
アメリカの金利が低下傾向なのに対して、日本は金利が上昇傾向にあります。そうすると、為替相場は「円高ドル安」方向へと進みやすくなりますので、日本経済にとってはマイナスの影響が心配されます。
PERが16倍になるとすると、日経平均株価は42,700円です。ただ、経済状況が悪化するわけではないので、年の前半に下落したとしても、割高感さえ解消されれば、そこから株価は上昇基調に復するだろうと見ています。
為替相場については、アメリカ経済の悪化や米国株の下落などから、一時140円割れ(円高ドル安)となり得るが、年後半は150円台への回復を見込んでいます。
つまり、今年前半は国内外ともに株価は下落、為替は円高ドル安に推移するが、後半には回復して、今の水準に戻るか、又はそれ以上になると見ています。この見立てが正しければ、しばらく様子を見て、下がったところを株式でもドルでも購入していけば良いのですが、そううまい具合に進むとは限りません。アメリカは「今年は景気後退」と何年も言われながらも、そうなっていません。また、日本のPER19倍はそれほど高いものではありません。このまま調整なく上昇し続ける可能性も捨てきれません。
2026.1.26記

