これからバブルのスタートか!?

<引用ここから>
この時は景気が悪い中で株式相場だけが上昇していきました。やがて、株式相場は景況感までも変えていくようになりました。

 株式、あるいは不動産といった資産価格の値上がりは、それを保有している企業や個人に資金的な余裕を与えました。例えそれがすぐに換金できない取引先の株や自宅であったとしても、資産価格の上昇は投資意欲や購買意欲をかきたてました。企業は土地を担保に多額に資金を安く調達することができるようになりました。また個人も、所得が増えていなくても懐が暖かいような気がして、消費が抑えられなくなるのです。また、不動産価格の上昇は住宅投資を促しました。

 企業の設備投資、そして個人の消費が拡大していき、景気は回復していきました。まさに株価や不動産価格の上昇が好景気をもたらしたのです。これを「資産効果」といいます。
<引用ここまで>

これは、1980年代半ばの、いわゆるバブル景気が始まる頃の状況を描いたものです。(以前に株式投資のテキストを作成した際に執筆しました。)1985年のプラザ合意から「円高ドル安」が進み、日本は円高不況となりました。金利は低いものの、景気が悪い中で新規の設備投資はできず、資金が株式市場に流れて株価が上昇していきました。企業と個人投資家は懐が温かくなり、高額商品から消費が活発になり始めました。当初は庶民には恩恵がありませんでしたが、その状況が続くと、設備投資や消費が活発になり、景気が上向いてきました。それがさらに株価を押し上げて、バブル景気となっていきました。本来は景気の影響を受けて動く株価が、逆に景気を良くしたわけです。

今の日本も状況が似ています。不況というほどではありませんが、日本の今年の景気はそれほど良い見通しではありません。各調査機関によると、2024年の日本のGDP成長率は0.8~1.0%で、昨年よりも悪くなると見られています。にもかかわらず、年始から株価は大幅に上昇しました。本来であれば、「株価は上がり過ぎ」となって調整が入り、本来の妥当な水準まで下落することになります。妥当な水準は、日経平均株価で言うと37,000~38,000円程度でしょうか。

しかし株価の上昇が、景気を良くしてしまうことがあるのです。そうなると、もともとの前提が変わってしまうわけで、妥当な株価も上昇します。今の「株価は上がり過ぎ」ということはなくなり、さらなる上昇も期待できます。

さらに、経済学者の櫻井昌哉氏は「利子率が成長率を下回れば、バブルが起きる」と指摘しています。これまでは利子率も成長率もゼロに近い状況で、どんぐりの背比べでしたが、昨年ぐらいからはっきりと、利子率<成長率の状況になってきました。バブル景気が発生する下地は整っています。今はまだ景気がぱっとしない中で株価だけが上昇している状況ですが、まだバブルになっているのではなく、これから大きなバブルが発生する可能性は十分に考えられます。

問題はNY市場です。アメリカは完全に利子率>成長率の状況です。にもかかわらず、株価の上昇が続いてきましたので、すでに「株価は上がり過ぎ」の状態になっているとも考えられます。景気の先行きが不透明で、このところの株価の動きも不安定になってきました。アメリカの株式相場が大きく下落するようだと、日本の株価もそれにつられて下がることになります。しばらくはアメリカの株式市場に振り回される形になりそうです。

為替相場は、未知の領域に入っています。日米金利差を根拠に円安ドル高に進んでいます。今後は、日本の金利は上昇傾向に、アメリカの金利は下落傾向にあります。それであれば、本来は逆の円高ドル安の方向に進まなければなりませんが、円安ドル高の流れは止まりません。勢いがついたら止まらない、といった状況です。

2024.4.15記

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