平成26年4月に、投資信託において歴史的な出来事がありました。
それまで12年間にわたって、純資産残高が第1位であった「グローバル・ソブリン・オープン」が、ついに第1位の座を明け渡しました。
変わって第1位となったのは「フィデリティ・USハイ・イールド・ファンド」です。
「グローバル・ソブリン・オープン」は、「新光US-RETIオープン『ゼウス』」にも抜かれ、第3位に転落しました。
「グローバル・ソブリン・オープン」は、平成14年1月に「ノムラ日本戦略ファンド」を抜いて第1位となり、名実ともに日本の代表的な投資信託であり続けました。
「毎月分配型」という分配方式を定着させたのがこの投資信託で、今では残高上位の投資信託はいずれも「毎月分配型」です。
また、株式ではなく、海外の債券で運用して高い金利を得る、という運用を一般の個人投資家に普及したのも、この商品だと言ってよいでしょう。
最近の純資産残高の変動は、何を物語っているのでしょうか。純資産残高の上位の投資信託をご紹介しながら、最近の傾向を探ります。
| 投資信託の純資産残高 上位10位 | 平成26年5月8日現在 | |||||
| 名称 | 運用会社 | 分配頻度 | 投資対象 | 純資産残高(億円) | 直近1ヶ月の増加額の順位 | |
| 1 | フィデリティ・USハイ・イールド | フィデリティ | 毎月分配 | ハイイールド債 | 1兆2,464 | 3位 |
| 2 | 新光US-REITオープン「ゼウス」 | 新光 | 毎月分配 | 海外REIT | 1兆1,866 | 2位 |
| 3 | グローバル・ソブリン・オープン | 国際 | 毎月分配 | 海外債券 | 1兆1,595 | |
| 4 | ピクテ・グローバル・インカム株式 | ピクテ | 毎月分配 | 海外株式 | 8,665 | |
| 5 | ラサール・グローバルREIT | 日興 | 毎月分配 | 海外REIT | 8,653 | 6位 |
| 6 | フィデリティ・USリートB(H無) | フィデリティ | 毎月分配 | 海外REIT | 7,547 | 11位 |
| 7 | 野村ドイチェ・高配当インフラ関連株(米ドルコース) | 野村 | 毎月分配 | 海外株式 | 7,094 | 1位 |
| 8 | 短期豪ドル債オープン | 大和住銀 | 毎月分配 | 海外債券 | 6,343 | |
| 9 | ダイワ米国リート・ファンド | 大和 | 毎月分配 | 海外REIT | 6,091 | |
| 10 | ダイワ高格付カナダドル債 | 大和 | 毎月分配 | 海外債券 | 5,589 | |
| 次 | ハイグレード・オセアニア・ボンド「杏の実」 | 大和 | 毎月分配 | 海外債券 | 5,571 | |
※ETF(上場投信)、REIT1(不動産投信)は除いています。
※名称についている「ファンド」「毎月分配型」などの言葉は削除しています。
ざっと見てみると、次のような特徴が見てとれます。
- 上位の全てが海外の資産で運用する、毎月分配型の商品である。
- 海外REITで運用するものが多く、最近の純資産の増加が顕著である。
- 海外債券で運用するものも多いが、最近の増加はそれほど大きくはない。
ただし、1位の「フィデリティ・USハイ・イールド・ファンド」と7位の「野村ドイチェ・高配当インフラ関連株(米ドルコース)」は、上記2つのタイプに属さない独特の商品で、現在も大幅に残高を増やしています。
直近1カ月では純資産残高の増加は、それぞれ3位と1位となっています。
なお、「ハイ・イールド債」は、債券ですので、「海外債券」とも言えますが、特殊な傾向がありますので、別の分類としました。

