参院選挙の結果は、与党も野党も〝ほどほど〟といったところでしょうか。おおむね予想通りで、大きな変化はありません。ただ、ダブル選挙が回避されたことで、10月の消費税増税が確実となりました。
以前からご紹介している、今後の相場の動向を大きく左右すると思われる3つのポイントを確認します。
① アメリカと中国の貿易交渉
② 日本の消費税引き上げの延期とダブル選挙
③ イギリスのEC離脱の交渉
①の米中貿易交渉の状況は、少し先送りとなっています。
②ははっきりとしました。そこで、消費税の歴史を振り返ります。消費税は、1989年4月に3%で導入され、1997年4月に5%に、2014年4月に8%に引き上げられました。過去2回の引上げは、それぞれ2%、3%でしたが、その後の株式相場の動きは対照的です。
1997年4月に5%に2%引き上げられた後は、それまで持ち合いを維持していた相場が崩れ、下落していきました。
一方、2014年4月に8%に引き上げられた後は、株式相場は大崩れすることなく、逆に上昇しています。実は、この時は大きな〝助け舟〟がありました。消費税を引き上げた後、やはり消費は低迷し、株式相場も弱含みでした。そこに日本銀行による「大幅な金融緩和」の第2弾が実施されました。これによって救われたと言ってよいでしょう。
今回も、2014年の引上げ時と同じで、日本銀行は黒田総裁です。日本銀行によるアシストを期待したいところですが、前回のようにはいきません。
「10年国債利回り」(長期金利の代表)も、「無担保コール(翌日物)」(短期金利の代表)もマイナスとなっています。銀行預金の金利こそマイナスにはなっていませんが、日本は本格的な〝マイナス金利〟となっています。
銀行預金の金利がマイナスにできないので、銀行は逆ザヤで収益が低迷しています。日本銀行としても、これ以上の金融緩和は難しいでしょう。
テコ入れ策をするとしても、ETFやREITを購入するなど、小手先の策に限られます。
消費税増税とともに、キャッシュレスポイントなど、景気下支え策も準備されていますが、効果のほどは未知数です。
消費税引き上げから半年ぐらいは、相場の動向に注意をした方がよいでしょう。景気への影響が経済指標に表れるのに、早くても半年ぐらいかかるからです。
消費税引き上げ直後は「それほど影響はなかった」と言われても、あとから経済指標の数値が悪くなってくる、ということがあります。
③のイギリスのEC離脱の交渉も心配な状況になってきました。イギリスの首相にジョンソン氏が選ばれることになりました。ジョンソン氏は、「イギリスのトランプ」とも言われているそうで(そう言えば、何となく風貌も似ています。)、「合意なき離脱も辞さない」と明言しています。
今のところ、EU離脱の期限は10月末となっています。英国議会で離脱協定案をまとめながら、EUと離脱交渉を進めることになります。
穏健派の首相であれば、交渉がまとまらなかった場合には期限の再延期を求めるところですが、ジョンソン氏はEUとの交渉が合意できなくても、再延期せずに離脱する姿勢を示しています。
もし、本当にそうなると、ヨーロッパの経済での混乱は小さくないでしょう。①の米中貿易交渉と合わせて、海外の経済状況も先が見通せません。
日経平均株価は、横ばいが続いていますが、より日本の株式相場を反映するTOPIX(東証株価指数)は、徐々に下がってきています。今年の年末から来年の前半までは、様子を見ながら、慎重な姿勢で臨んだ方がよいのではないかと考えます。来年には、投資のチャンスが巡ってくるものと思います。

