この1~2年の日本の株式相場TOPIX(東証株価指数)と、アメリカの株式市場NYダウ平均の動きを比較して見てみると。。。
日本は2021年9月がもっとも高く、その後は下がりましたが、大きくは下がらずに、一定の範囲で横ばいに推移しています。現在は、高値から4.4%の下落です。
アメリカは今年の1月がもっとも高く、その後は下がりましたが、今年の6月からは乱高下しています。現在は、高値から12.3%下落しています。どちらも下がっていますが、小さな下落で、動きが小さい日本と、大きな下落で動きが大きいアメリカと、対照的です。
NYダウは、今年になって一番下がった9月末の時点では、22.2%の下落となっていました。20%以上も下がりましたので、これからは上昇に向かっていくとの見方もあります。アメリカはまだ好景気が続いています。物価上昇が激しく、アメリカの中央銀行であるFRB(連邦準備理事会)は金利の引き上げを断続的に実施しており、そろそろ引き締めの手を緩めるのではないかとの見方もあります。そうなると、好景気は続いていますので、株式相場は再び上昇に向かうことが期待されます。
しかし、アメリカの消費者物価の上昇率は10%前後にもなっています。このレベルの物価上昇は、第2次オイルショック以来です。第2次オイルショックの時は、政策金利は20%までも引き上げました。
今のアメリカの政策金利(FFレート)は、先日0.75%引き上げて4.00%になったところです。かつてと比べれば、まだまだ低い水準です。物価は一度上がりだすと止めるのは簡単ではありません。人々が「値上がりするから」と買い急ぎ、ますます品不足になるのでさらなる値上げと、悪循環になりやすいのです。今はまだ好景気が続いていますが、政策金利の引き上げが続くと、やがて景気後退へと転落していきます。第2次オイルショックの時は、不況から脱出するのに3年近くも要しました。
新型コロナの感染が広がった2020年初めは、3月にかけて株式相場は大暴落しましたが 4月から回復に向かい、見事なV字回復を遂げました。もし、景気後退に陥らないのであれば、今年の9月が底だったということになるでしょう。しかし、景気後退に陥るとすれば、まだまだ下落の序章なのかもしれません。アメリカの中間選挙の結果は、理由付けとして使われるだけで、それ自体が変動の原因にはなりません。
日本円/アメリカドルの為替相場の動きを長い期間を見ると、今のような急変は何度かありました。しかし、急に動きが逆転することもあり、安易な判断はできません。
日本の金利が低いままで、アメリカの金利が上昇していますので、アメリカと日本の金利の差が開き、円安ドル高が続いています。アメリカの金利がまだ上昇を続けるとすると、さらに円安ドル高が続く可能性があります。ただし、来年3月には日銀の総裁が交代します。日本でも金利引き上げを検討することになれば、急な方向転換が起きる可能性は十分にあります。
最近は、報道でも円安のデメリットばかりが報道されます。確かに、かつてと比べると生産拠点の海外移転が進みましたので、円安のメリットを享受しにくくなっていることは確かです。しかし、やはり輸出企業にはメリットで、業績の改善が期待される業種は少なくありません。また、入国の規制が緩和されるとともに、海外からの観光客増も期待されます。それでも、日本の株式相場は海外の動向に大きく影響されます。アメリカの株式市場が下落すれば、程度の差こそあれ、下落は免れないでしょう。本格的に上昇に向かうようになるのは、来年半ば以降でしょうか。
2022.11.8記

