2019年 株式相場の予想

毎年、週刊「ダイヤモンド」の年末最後の号では、翌年の「総予測」が特集され、株式や為替相場の見通しが掲載されています。昨年末の特集では、株式相場の見通しを9人のアナリストが予想していました。2019年の日経平均については、9人中6人が2万円以上と予想しています。大発会(1月4日)の寄付きが19,655円。「1年間の予想」が1日目にしてはずれてしまったわけです。アンケートの締め切りが12月中旬だったということで、12月後半からの急落を予想した人はいなかったようです。為替相場についても同様で、ほぼ半分の人は、1日目にして〝はずれ〟となってしまいました。

1年間の見通しが1日も持たないのですから、「あてにならない」と言われてもやむを得ません。ただ、近年は相場の動きが激しくなってきており、半月先ですら、〝想定外〟の事態となっても珍しいことではありません。

リーマン・ショック以降、アメリカ、ヨーロッパ、日本で異次元の金融緩和が行われ、世界中にマネーがあふれています。そのおかげで景気が回復している面もありますが、その多くは実際の投資には回らずに、金融市場にあふれています。株式相場、為替相場で利益獲得を狙ったヘッジファンドが大きくなり、相場が不安定になっています。日経平均株価で言えば、前日比で500円ぐらいの変動は、もはや珍しくなくなりました。アナリスト泣かせの相場と言えるかもしれません。

ところで、最近の株式相場の状況を一言でまとめると、

相場は不安定だが、経済状況は良好で、株価は割安な水準になっている

ということです。

まず「相場は不安定」という部分です。株価のチャートから見ると、先行きは不安な要素があります。日経平均株価の月足チャートを見ると、24ヶ月移動平均線が横ばいになったところで、9ヶ月移動平均線が上から下に向かって突き抜けようとしています。長移動平均線を短期移動平均線が下に突き抜けると、「デットクロス」と言われており、相場の下落が続くサインが完成します。もちろん、これがすべてではありません。3年前にも似たような状況となりましたが、すぐに上昇に転じました。

長期的なグラフでサインが完成すると、確実性が高い傾向があります。どうやら、アベノミクスによる株価上昇は、昨年10月2日の24,448円をもって終焉したのかもしれません。6年間も上昇が続きましたから、方向転換が起きてもおかしくはないでしょう。ちなみに、前ページのグラフにありますように、TOPIX(東証株価指数)では昨年1月が高値となっており、一足早く下落傾向が続いています。

一方、経済状況から見ると、企業業績が良くなっているにも関わらず、株式相場は足踏みを続けており、株価は割安の状態になっています。今後は割安状態の修正(つまり株価の上昇)が予想されます。最近のPER(株価収益率)は11~12倍程度です。PERとは、株価が1株当たり利益の何倍になっているかを示す指標で、これが低いと割安(今後は上昇が期待できる)と言われます。近年の平均は15倍ぐらいで、日経平均株価が27,000~28,000円ぐらいでもおかしくありません。そのため、昨年の高値を超えて、さらに上昇していくと見ているアナリストも少なくありません。そう考えると、最近下がっているのは、絶好の買い場で、今がチャンスです。ただ、企業業績は〝水物〟でもあります。急に業績が悪くなることは少なくありません。米中経済摩擦による世界的な景気の悪化、消費税の引上げなどで、企業業績が悪くなる可能性があります。企業業績の割りに株価が低いのは、今後の状況変化を不安に思っている投資家が多いから、と考えられます。

では、これらの相反する見通しを踏まえて、私はどう見ているかと言いますと、先月のレポートに書いたものと同じで

「全般としては、前半は良しとしても、後半以降は慎重に見ておく必要がありそうです。」

と考えます。年末年始に大きく下がったものの、年半ばまでは回復も見込めるでしょう。日経平均株価で言えば、24,000円あたりを伺うこともあるでしょう。しかし、たとえ一時的に回復したとしても、その後は大きく下落するのではないかと思います。企業業績が悪くなると考えるからです。短期で勝負をするのではなければ、慎重に構えた方がよいと思います。 btle 2;\l

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