ギリシャのユーロ離脱はできるのか?②

<デフォルト(債務不履行)>アルゼンチンの事例から

アルゼンチンは、2001年に国債の償還の凍結を宣言し、デフォルト(債務不履行)となりました。
日本でも円建て国債を発行しており、個人投資家向けにも販売されていました。
これらは、後に大幅に減額して償還されました。
アルゼンチンの通貨ペソは、それまでアメリカ・ドルにリンクしていましたが、維持することができなくなり、暴落しました。
その結果、極端なインフレと景気悪化が同時におこり、経済は混乱しました。
物価は高騰し、失業者があふれ、ヨーロッパへ大量の移民が流失する事態となりました。

しかし、通貨の下落はメリットももたらしました。貿易収支の改善です。
ドルの上昇で輸入品は値上がりしましたので、輸入は減少しました。逆に輸出品はアメリカから見ると値下がりとなり、輸出は増加しました。
そのため、国内景気は徐々に回復するようになり、近年は比較的よい経済状態となっていました。
それでも、デフォルトにより、金融市場でのアルゼンチンの信用は無に等しく、海外からの資金調達ができません。
経済成長に制約があり、同じ南米でもBIRCsとして成長しているブラジルに大きく水をあけられています。

このように、国のデフォルトは経済に大きな混乱をもたらしますが、通貨の下落で貿易収支が改善すると、その後の成長につながるという面があります。

もっとも2001年のデフォルトは、まだ今でも引きずっています。
多くの債券保有者は、返済額の減額に応じたのですが、応じずに保留となったままの債権者もいました。
アメリカのハゲタカファンドが、そのような債券を二束三文で買い集め、全額の返還を求めて、訴訟を起こしました。
2014年にアメリカの連邦裁判所が訴えを認める判決を下しました。
すでに他の多くの債権者にはかなり減額しているにも関わらず、これらのヘッジファンドには100%の金額で返済しなければなりません。
今度は、アルゼンチン政府は返済可能な状況にも関わらず、デフォルト(債務不履行)としました。
さらに、金融市場から借り入れができないため、通貨の発行を増やしました。すると、再び激しいインフレとなってしまいました。
デフォルトの影響は、10年以上経過した今も続いています。

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