日本の株式相場は、5月中旬から少し盛り返しています。ゴールデン・ウィークは人出がかなり増えましたが、それもかかわらず新型コロナの感染者数は減少しており、消費が持ち直していることを好感しているようです。
2021年9月から比較すると10%近く下落しており、下落傾向のようにも見えますが、もう少し前の2021年2月から比べると、上下に動いているものの、結局は横ばいでそれほど変化はないと言えるでしょう。ロシアによるウクライナ侵攻も、株式相場に限ってはそれほど影響していないようです。
一方、アメリカのS&P500指数を見てみます。S&P500はアメリカ市場の500社の株価を基に算出した数値です。NYダウは30銘柄だけですので、こちらの方がより正確に株式市場を反映しています。
今年の1月に4,800ポイント近くまで上昇した後、5月には4,000ポイント割れまで下落しています。
その後は少し持ち直してはいますが、それでもはっきりと下落傾向に変わったことがグラフを見てもわかります。緑色の26週移動平均線(26週間の平均値)が平らになったところで、赤い13週移動平均線が上から下に向かって交差しています。
有名なチャート分析の1つに「グランビルの法則」というものがあります。今後の株価の行方を占うものですが、4つある「売りサイン」(今後は下がるという兆候)に
- 移動平均線が上昇後、横ばい、または下向きに転じたときに価格が移動平均線を上から下に抜けた場合
というものがあります。これを、「長期移動平均線」(26週)と「短期移動平均線」(13週)に当てはめてみてみると、
- 緑色の26週移動平均線が横ばいに転じたときに、赤い13週移動平均線が上から下に抜けた
という形になっており、典型的な下落の兆候となっています。こういう兆候が明確に出ると、しばらくその傾向が続くことが多くなっています。
アメリカの株式相場は、しばらくは下落傾向が続くのではないかと見ています。
日本のTOPIX(東証株価指数)とアメリカのS&P500を比較してみます。
この2年間を見てみると、日本はアメリカほどには上がらなかったので、下がりもしていない、という状況です。確かに、日本の株式相場はアメリカほどの過熱感はありません。それでも、今後アメリカの株式相場がさらに下がるようであれば、それに引っ張られて日本の株式相場が下がることが考えられます。
景気の方も、アメリカは〝過熱ぎみ〟と言えるほど景気が良くなり、今では中央銀行が、物価の上昇を抑えるために、景気引き締めを進めています。それに対して日本は、良くもなければ、悪くもない、という状況で、日本銀行の政策にも変化はありません。
為替相場は、大きく円安・ドル高に動いてから、少し戻しましたが、また円安・ドル高方向に動いています。以前として日本が低金利なのに対してアメリカは金利が上昇していますので、さらに円安・ドル高が続くと見られます。ただし、長い目で見ると、円安・ドル高に行き過ぎていると思います。
2022.6.11記

