ネット関連株と中国株

アメリカ大統領選挙は、バイデン氏が勝利をおさめました。当初は「株価はトランプ勝利だと上昇、バイデンだと下落」と言われていましたが、バイデン氏リードで終盤を迎えると、「バイデン勝利で上昇」と言われるようになりました。民主党政権で公共投資が増えるというのが理由ですが、「トランプ勝利だと上昇、バイデンでも上昇」では予想でも分析でもありません。結局、大統領選の結果はどうでもよいわけで、相場が強ければ「何でも買い」になってしまいます。(逆に相場が悪い時は「何でも売り」になります。)株式の〝見通し〟とは、そんなものでもあります。

確かにアメリカの株式相場は強い状況です。新型コロナの感染者数が世界で一番多い国にもかかわらず、株価は上昇を続けています。その要因となっているのは①未曽有の金融緩和と②ネット関連企業の存在です。アメリカの株式市場でもすべての銘柄が上昇しているわけではありません。3月に暴落した後、低迷を続ける銘柄も少なくありません。相場を引っ張っているのは、ネット関連銘柄です。

「ダウ平均株価」はアメリカを代表する30社の株価から算出された指数です。アップルやマイクロソフトなどのハイテク・ネット関連の企業もありますが、ウォルマート(小売)やボーイング(航空機)などの旧来型の大企業もあります。それに対して「NASADQ100指数」は新興企業を中心としたNASAD市場の中で代表的な100銘柄の株価で構成された指数です。そのほとんどは、ハイテク・ネット関連の企業です。この2つの指標を見比べるとその差は歴然としています。圧倒的な上昇で、史上最高値を更新しているNASADQ100指数に対して、ダウ平均株価は、回復しているとはいえ、以前の高値まで届いていません。アメリカの株式市場でも上がっていない銘柄は少なくないのです。

①未曽有の金融緩和はで、金余りの資金が株式市場に流れ込んでいますが、その影響はどの銘柄でも同じです。もう1つの要因の②ネット関連企業の存在が、優劣を分けています。新型コロナの影響で、人の移動が制限され、ネットでのビジネスや消費が急増しています。広い意味でのインターネット関連の企業は、業績が拡大しています。新型コロナの感染拡大によって、〝業績の向上を伴った株価の上昇〟となっています。

新型コロナがネット関連企業の業績を後押ししている点が、ITバブルの時と違う点です。業績の拡大を伴う限り、今後も期待できるでしょう。(業績の拡大が亡くなったにも関わらず上がり続けた時は、注意が必要になります。)

日本の株式相場もこのところ好調です。日経平均株価が29年ぶりの最高値をつけたとニュースになりました。ただ、日本の株式市場もすべての銘柄が上がっているわけではありません。前ページのTOPIX(東証株価指数)のグラフを見るとわかります。コロナの影響で下落した前の水準にまだ届いていません。長い目で見ると2018年1月から、まだ下落傾向が続いています。日経平均株価よりもTOPIXの方が、日本の株式市場の実態をより正確に表しています。日本でも業績が悪くなった銘柄は低迷したままで、一部の銘柄の上昇で株価指数が引っ張られている状況です。今後のポイントは、業績が拡大しているネット関連銘柄と、中国関連銘柄です。

中国の状況については、先月の記事でもご紹介しましたが、経済状況が好調です。新型コロナが発生した国であるにもかかわらず、その後は感染が広がらず、他国の感染状況もどこ吹く風といった状況です。

7月に株価が上昇しましたが、かつてのバブル(2015年)と比べると、まだそれほどでもありません。経済の回復とともに、こちらも〝業績の向上を伴った株価の上昇〟が期待されます。

2020.11.15記

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