ハイリスク・ハイリターンとは

私たちが日常で使う会話では、「ハイリスク・ハイリターン」とは「大儲けもできるが、大損となることもある」という意味です。「ローリスク・ローリターン」は、「損失となっても大したことはないが、大きな利益も望めない」という意味です。「リスク」は、「最大の損失」を意味します。そして、「リターン」は「最大の利益」を意味します。

ところが、証券投資論という投資分析の世界では、言葉の使い方が異なります。

リスク:運用の成果のブレ幅(専門的には、「分散」「標準偏差」という数値を使います。)

リターン:運用の平均収益率(専門用語では、「期待収益率」という言葉を使います。)

「ブレ幅が大きい」ということは、「大きな利益となることもあれば、大きな損失となることもある」ということを意味します。日常会話での「ハイリスク・ハイリターン」の意味は、証券投資論では「ハイリスク」という言葉だけで表していることになります。日常会話での「ローリスク・ローリターン」は、証券投資論では「ローリスク」という言葉だけで表します。つまり、「リスク」という言葉は、損失だけでなく、利益にも使い、「大儲けとなることがある」場合は「ハイリスク」ということになります。これは、言葉の意味ですので、もちろん利益が困ったことであるというわけではありません。

 

ローリスク(ブレ幅が小さい) ハイリスク(ブレ幅が大きい)
ハイリターン
(高い平均収益率)
大きな利益となることもなければ、大きな損失となることもなく(ローリスク)、平均収益率が高い(ハイリターン) 大きな利益となることもあれば、大きな損失となることもあり(ハイリスク)、平均収益率が高い(ハイリターン)
ローリターン
(低い平均収益率)
大きな利益となることもなければ、大きな損失となることもなく(ローリスク)、平均収益率が低い(ローリターン) 大きな利益となることもあれば、大きな損失となることもあり(ハイリスク)、平均収益率が低い(ローリターン)

 

一方、日常会話では「利益」を意味する「リターン」は、証券投資論では「平均収益率」、つまり「いい時と悪い時をならした、運用の成果の平均」のことを言います。

すると、「ハイリスク・ハイリターン」は、「大儲けも大損もあるが、ならしてみると、高い成果となっている」という意味になります。「ローリスク・ローリターン」は、「大儲けも大損もないが、ならしてみると、低い成果となっている」という意味です。

このことをまとめると、上の表のようになります。縦横に、言葉の意味をきちんと反映しているのがご理解いただけることと思います。

注意点として、「リスク(ブレ幅)が大きい」という場合の大きさと「リターン(平均収益率)が大きい」という場合の大きさは、ケタが違います。「リスク(ブレ幅)が大きい」という場合は、1年で倍になったり、半分になったりということもあります。一方、「リターン(平均収益率)が大きい」という場合は、せいぜい年率8~10%程度のことです。ですから、「ハイリスク・ハイリターン」と言えども、いつも儲かるとは限りません。一度半値になってしまえば、年率10%でも回復には時間がかかります。

もう1点、注意点があります。証券に投資をする場合は、今後の動きが問題ですので、今後のブレ幅や平均収益率がわかればよいのですが、未来のことは誰にもわかりません。そこでやむなく〝過去の実績〟による数値で代用します。過去のデータからリスクとリターンの大きさを算出することはできますが、あくまで過去の結果であり、今後の成果を保証するものではありません。

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