8050問題

このところ、ひきこもりにかかわる事件が相次いでいます。
長年ひきこもりだった
50代の男性が、私立小学校の生徒と親を殺害した挙句に自殺しました。
その数日後には、40
代のひきこもりの息子を、70代の父親が殺すという事件が起きました。

これらの事件が報道され、「8050問題」という言葉がクローズアップされています。この言葉は、50代のひきこもりの子を80代の親が養っている状態のことを指します。

以前はひきこもりというと、20代の子供がなかなか就業できないという状態を指していました。
ひきこもりというと、〝若い男性〟というイメージがあるかと思います。
厚生労働省が全国のひきこもりを調査し、各自治体で相談や支援を行うようになりましたが、支援の対象となるのは、
39歳以下に限定されていました。
40代や50代のひきこもりは想定されていなかったのです。

しかし、20代のひきこもりも、そのまま年齢を重ねていきました。
ひきこもりは簡単に解決する問題ではなく、ましてや年齢が上がると治るものでもありません。
やがて、
30代、40代のひきこもりが増加し、50代も増えてきた、というわけです。子供が50代になれば、その親は80代。
80代の親が、年金収入で無職の子供を養う、ということになってしまいます。
2015年と2018年の厚労省の調査によると、広い意味での「ひきこもり」状態の人は、1539歳は54万人。
4064歳では61人と、40歳以上の方が多くなっています。
中高齢のひきこもりの問題は、これからの問題ではなく、今まさに喫緊の課題と言えるでしょう。

 

私は、ファイナンシャル・プランナーとして、ひきこもりなどのご家族の生活設計の相談も多く受けています。
現在の状況を伺って、お子さんが生涯、仕事ができなくても生活していくことができるかを、シミュレーションで分析します。
その上で、もし厳しいようなら、どのような対策をすればよいかをアドバイスします。

一般のご夫婦からのご相談(もちろん、それも受けています。)であれば、ご夫婦の平均寿命ぐらいまで資金が枯渇しないで生活を送れるかを分析します。
それに対し、ひきこもりのご家族の場合は、「ひきこもりのお子様の平均寿命」までを分析の対象にします。
50年、60年後にもなりますので、かなり長期間の分析となります。
さらに、ひきこもりではない他のお子様との遺産分割もかかわってきますので、その影響も考慮する必要があります。

「お子さんが生涯、仕事ができなくても生活していくことができる」ようにするアドバイスというと、子供の回復&就労を諦めるというのか!?と思われてしまいそうですが、そうではありません。
ひきこもりのお子さんが回復して、就労できれば、それに越したことはありません。
もしそうなれば、その時点でシミュレーションをし直すこともできますし、経済的には良い方向への変更ですので、〝問題〟はありません。
あくまでシミュレーションですので、〝最悪の状況〟を踏まえて対策を考えておこう、ということです。

 

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