国民年金保険料のダブルスタンダード③

「国民年金保険料のダブルスタンダード①」に記載されている、2つ目のダブルスタンダードを思い出してください。
「納付期限」は、翌月末日ですので、この日までに納付されていないものは〝未納〟となり、来年からはもれなく督促状が送られてくることになります。
「〇月○日まで」「強制徴収」「差し押え」などの文面に驚いて、年金事務所に問い合わせると
「2年1ヶ月以内に払えば大丈夫ですよ」
などとやさしい言葉をかけてくれます。
これなら安心しますが、逆の場合もあります。
年金事務所に
「余裕ができたら払ってくださいね」
と言われて安心したら、恐ろしい文面の督促状が届く。
人間不信に陥りますね。

強制徴収の実施は、1つ目のダブルスタンダードにかかわってきます。(「国民年金保険料のダブルスタンダード①」参照)
年収が多いにも関わらず、国民年金の保険料を全く払わない人も少なくありません。
理由は、老後に年金は〝いらない〟からだそうです。
開業医(自営業者)などで、保険料を払わない人が時々いる、という話を聞いたことがあります。
国は信用できないので、自分でしっかりと備えておくという人もいます。
こういう人たちは、老後に年金がもらえなくても、国に泣きつく(生活保護の申請をする)ことはないでしょう。
十分な資産があるはずで、放っといても心配ありません。
ところが、強制徴収は
「年収が多いにも関わらず、全く払わない人」
から執行していきます
。取りやすい上に、取られた方も生活に困る心配がありません。

問題はこれからです。
強制徴収で取られた分は、「保険料を払った期間」となります。
その分、老後に受け取る年金の金額は多くなります。
しかも、年金は本人が払う保険料と国の税金で、半分ずつ賄われています。
本人が払った保険料と同じ金額の税金をつけて、年金の金額が決まります。
「年金はいらない」
「国は信用できない」
と言う人に、税金で補てんして、〝倍返し〟でお返しをしているようなものです。
国は、そこまでする必要があるのでしょうか。

一方、強制徴収まではされなかった、低所得者の滞納者。
保険料が未納だった部分の年金を老後に受け取ることはできません。
本人が払わなかった部分は仕方ないとしても、税金からの補てん部分ももらえません。
免除制度を知らなかったために申請をしていなかった人も同様です。
十分な資産もなく、年金の支給も少なく、困窮する人も少なくないでしょう。
自己責任でやれる高所得者からは無理にでも徴収して、税金を加えてお返しする割に、低所得者には自業自得とばかりに助けてくれません。
保険料を払わなかった、あるいは免除の申請をしなかった本人が悪いのですが、なんだか釈然としません。

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