業績予想と株価予想④

将来のことばかりでなく、〝現在の状況〟も把握することが難しい。
昨年4月の消費税の増税。
増税された直後は、景気への影響はそれほどでもないとの見方が多かったものでした。
景気に深刻な影響を及ぼしていると認識されるようになったのは、半年ぐらい経過した後でした。
経済統計の発表にはある程度の時間がかかります。
そのため、景気の状況を正確に把握できるようになるのに、数カ月の時間はかかってしまいます。
その間に株価はすでに動いてしまい、上昇に乗り遅れたり、売り逃げるチャンスを逃してしまうことになります。

過去の状況を示す統計データにも信用できない部分があります。
GDP成長率は4半期ごとに公表されています。
4-6月の分であれば、まず1次速報値が8月に発表されます。
これはニュースにも取り上げられ、株価に影響を与えるし、大きな話題となることもあります。
ただ、これは早く公表することを主眼としているために、必要なデータがすべてそろわないうちに出しています。
翌月の9月に後からそろったデータを加えて、2次速報値(改定値)が公表されます。
このあたりまでは報道もされます。
しかし、修正はそこで終わりません。
その後もたびたび修正され、数値が確定するのは翌年の12月のことです。
当初は前年比プラスで発表されていたのが実はマイナスだったり、その逆だったということは珍しいことではありません。
速報値の発表に反応して上昇した株価がその後下がってしまうケースなど、GDP速報値の変遷も影響しているかもしれません。
しかも、3次速報値以降の公表はほとんど報道されることがないのです。そう考えると、政府統計の発表も疑ってかからなければなりません。

「株価は、景気や企業業績を反映して動く。株式投資で成功しようと思ったら、経済状況や企業業績の見通しをよく調べて投資判断をするべきである」―これは確かに正しい。
しかし、その経済状況や企業業績の見通しは、信頼できるとは限らないのです。
専門家の見通しもはずれることが少なくないし、自分よがりの判断はさらに危険です。

では、どうすれば良いかといえば、これはもう、予想がはずれることも考慮に入れて、それでも支障のない範囲で投資をするという以外に方法はありません。
予想が当たったら儲けもの、ぐらいに考えておくのです。
「株式相場は半年先を行く」のは確かだが、それをわかっていても利益を得られるわけではないということです。

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