つい先日、経済見通しに関する講演会で、2人の専門家の話を聞きました。
お二人の話の内容が、相反するもので、興味深かったので、ご紹介いたします。
経済の見通し、ひいては株価の見通しは、その人の〝価値観〟によるものが大きいと、私は思っていますが、見方の違いがとても参考になります。
一人は、経済学者のQ氏です。
経済学の分析を、現実の経済に適用しています。
アベノミクスには、批判的な見解をしています。
もう一人は、Z証券投資情報部長のV氏です。
私は存知あげていなかったのですが、証券会社で長年、経済予測、株価予想をしてきた方です。
アベノミクスを評価しています。
V氏は、証券会社の社員ですので、当然ながら強気の見方をしています。
経済理論もよく認識されており、それだけにお二人の意見は、共通する部分と相反する部分がありました。
その対比をしながら、私なりの考えも述べたいと思います。
<株価の予想はできるのか?>
そもそも、株価の予想はできるのか、という問題です。
Q氏は、経済の予想は可能だが、株価や為替の予想はできないとしています。
ですから、株価予想や為替予想は意味がありません。
それは、多くの人が取引に参加している株式市場や為替市場では、ありとあらゆる情報が、今の株価や為替レートに反映されているからです。
これから上がる銘柄がわかるのなら、それはすでに買われていて、株価は高くなっているからで、「これから上昇するが、今は安い銘柄を探しても意味がない」と考えます。
株式投資で儲かるのは、「運が良かっただけ」ということです。
このような状態にあることを、「市場が効率的である」と言います。
(一般的に使われる「効率がよい」とは違う意味です。)
それに対しV氏は、適切な予測をすれば、株式や為替の予想をすることができ、それによって利益を得ることができると考えます。
取引に参加する人がみな、理性的な判断ができるのなら「市場は効率的になる」が、実際はそうではない。
そもそも人間は、間違った判断をすることが多く、情報が適切に株価、為替に反映されているわけではない。
だからこそ間違った株価(割安な銘柄)などが存在し、それを見つけることで、平均以上の利益を得ることができる、としています。
どちらの考えも、相反するわけではなく、正しい見解です。
日本の株式市場、為替市場が「効率的」であるかどうかで、お二人のどちらかがより適切かが決まってきます。
私は、為替市場については「かなり効率的」で、株式市場については「わりと効率的」だと思っています。
ただ、「予想は意味がない」という見方でも、常に株価や為替レートが適正だとしているわけではなく、例外があります。
それが〝バブル〟です。
適正な価格がつくはずの市場でも、バブルとなると大きく間違った(割高な)価格で取引されてしまいます。
バブルかどうかの判断をするだけでも、ある程度は株価の予想はできます

