今後の経済・株式相場の見通し②

「アベノミクスで景気が回復した」と言われていますが、Q氏は、実際には日本経済はあまり良くなっていない、と見ています。
その原因が、アベノミクスによる円安だというのです。
アベノミクスが景気の足を引っ張っているという訳です。

20150929

 

 

 

 

上のグラフを見てください。
4半期ごとの実質GDPの成長率です。
日本の景気状況を表しています。
消費税の増税前の上昇と増税直後の下落を除いて考えます。
2013年10-12月期は落ち込んでいました。
金融の異次元緩和による低金利で為替が円安ドル高になったため、物価が上昇してしまい、消費支出が減ってしまったからだというのです。
そして、今また同じような状況が起きています。
2014年10-12月期~2015年1-3月期は景気が回復したのですが、それは原油価格が下がったために、物価の下落があったからだといいます。
原油価格が下げ止まった今、円安によって物価上昇が起き、景気が悪くなっていると指摘しています。

日銀は異次元緩和で物価上昇が起きれば、景気が良くなるとしています。
しかしQ氏は、物価上昇は消費支出が鈍り、景気の悪化につながるとしています。
物の値段が上がれば、買い物を控えるというのは自然な感覚です。
一般の人々の、そのような行動が数値に表れているのです。
アベノミクスの「大胆な金融緩和」は景気を悪くさせるばかりで、良くする効果はないと看破しています。

一方、Z証券のV氏は、直近のGDPがマイナス成長となっていることを認めながらも、今後は年率で2%前後の成長が続くと見ています。
銀行の設備投資向け融資が増えていること、建設工事受注高が急回復していることなどを理由としています。
消費支出も中国人観光客の〝爆買〟の影響もあって、回復の兆しがあるとしています。

いろいろなデータがありますので、どれを重視するかでも景気に対する見方は違ってきます。
強気の人は良いデータを見て、弱くの人は悪いデータを見て、自分の見方を確信する傾向があることは否めません。
Q氏の説明の、金融政策と為替レートの関係、そして、物価と消費支出への影響は、論理的に整合性があります。
しかし、本当に因果関係があるかはまた、別問題です。
他の理由で動いている可能性も十分にあるからです。
説明に筋が通っていたとしても、それが正しいとは限らないのが経済の難しいところです。
さらに、もう1点。Q氏は直近の2015年4-6月期の実質GDPがマイナスとなっているのを見て、今は景気が悪くなっているとしています。
しかし、このデータはまだ出たばかりです。
GDPの数値は、発表後に修正されることが珍しくありません。
マイナスがプラスになったり、その逆もしばしばです。
数値が確定するのは、1年半後のことですので、今の数値を信頼してもよいのか、疑問が残ります。

そういった懸念はあるものの、私はQ氏の見方に注目します。
確かに企業業績が良くなり、株価は上昇していますが、円安でメリットが大きい東証一部上昇の企業が恩恵を受けているだけで、国内消費に影響を受ける中小企業の業績は回復していないのかもしれません。
また、人手不足は景気回復したからではなく、少子化の影響で若者が少なくなっているからかもしれません。
これだけ「アベノミクスで景気が回復し、人手不足が起きている」と言われているにも関わらず、それは錯覚だったとすると、国民みんながだまされていたことになります。

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