好調!日本の株式相場

日本の株式相場はこのところ、上昇が続いています。日経平均株価でみると、3月末の28,041円から2ヶ月で約4,200円も上昇しています。2021年3月から1年間は、上にも下にも大きく動かないボックス圏で推移していましたが、それを上に抜けてきました。ボックス圏を上に抜けると、しばらくは強い基調が続くと思われます。

これには、日本経済の状況が良くなっていることが理由となっています。景気の状況を表す名目GDP成長率は、2020年度が新型コロナの影響で▲4.1%となったものの、2021年度は2.6%、2022年度は1.2%とまずまずです。直近でも2023年1-3月期は年率換算で1.6%と順調です。強い経済成長とは言えないものの、着実に成長しています。昨年にかなり円安ドル高になったために、輸出環境が良くなったという面もありますが、それだけではなく、国内景気も着実に回復に向かっています。新型コロナがおおむね収束し、観光需要がかなり伸びているのは、肌感覚で実感できるところです。人手不足が影響して、春闘の賃上げは、ここ数年見られないぐらいの賃上げとなりました。一方、物価は、2022年度は3.2%の上昇となりました。直近でも2、3、4月は3%台前半の上昇が続いています。日本銀行の黒田前総裁は退任会見で「物価目標を達成できなかった」と悔やんでいましたが、2.0%の物価目標はほぼ達成できたといってよいでしょう。日本経済は、強い上昇ではないものの、

景気回復⇒賃金上昇⇒物価上昇

の好循環が成立しています。日本銀行の植田新総裁は、「今年度は物価上昇率が低下する」と見ており、そのために金融緩和の姿勢を変えていません。しかし、今のところは2.0%の目標を上回るペースで上昇しています。今すぐにインフレが心配になるほどではありませんが、勢いがついてきたにもかかわらず、燃料の供給を続けている状況です。

それが、株式市場に表れています。日本の景気状況が改善してきた中で、日銀が金融緩和を続けるとの方針を示したために、安心して株式が買われています。株価が1株当たり利益の何倍まで買われているかを示すPERを見ると、日経平均株価で14.8倍まで来ています。この数値が高いと〝割高〟とされますが、まだ割高と言える状況まではいっていません。この3か月間ですでに上昇してしまいましたが、けっして〝上がりすぎ〟という状況ではありません。

一方心配なのが海外の状況です。アメリカもヨーロッパも、物価上昇率は依然として高く、景気後退に陥る可能性が高いと見られています。

アメリカの株式相場の状況を表すS&P500の動きを見ると、昨年の10月に底をつけてからは上昇に転じていますが、経済環境が良くありません。それだけに、いずれ株価が下落するのではないかと心配されています。

経済環境が良くなってきたにもかかわらず、低迷が続いていた日本の株式市場は、このところ急激に上昇してきました。一方、経済環境が心配されているにも関わらず、アメリカの株式相場は上昇傾向が続いています。アメリカの株式市場がまずますの状況が続くのであれば、日本の株式市場の好調は続くでしょう。しかし、アメリカの株式市場が急落するようなことがあれば、日本の株式市場もそれに引っ張られてしまいます。日本の株式市場は、海外の投資家の割合が高く、海外の株式相場の影響を強く受けるからです。

また、日本銀行は今のところは金融緩和を続けていますが、いずれは見直しをする必要に迫られます。それがいつのことになるかはわかりませんが、今の好調な経済状況が続けば、それが早まることが考えられます。金融政策を見直した際に、日本の株式市場にどれくらいのダメージを与えるのかはわかりませんが、頭に入れておく必要はあるでしょう。

あまり根拠はないのですが、「サマーラリー」という言葉もあり、割と夏の間は好調が続くことがあります。歴史的に見ても、アメリカの株式市場にとって、9月は要注意の月です。過去にも暴落が起きたことがあります。9月はどうしても、株式市場の参加者が意識してしまう月です。

2023.6.7記

質問はこちらから