日本の株式相場は、昨年の9月までは上昇が続いていましたが、そこから下がりだしました。およそ半年ほど、約15%程度は下落が続きましたが、今年の3月からは1,800~2,000ポイントの間で上下を繰り返しています。最近は少し上昇が続いています。長い目で見ると、昨年9月までの上昇相場は終わったものの、その後はもみ合いが続いている状況だと言えるでしょうか。
一方、アメリカの株式市場の動きを反映するSP500指数は、下げ始めたのは今年の1月からですが、6月までに約30%と大きく下がりました。その後は上昇に転じています。
2020年2月にアメリカが新型コロナウィスルの感染が広がり、アメリカの経済がストップしました。株式相場は2月から3月にかけて暴落しましたが、その際の下落幅はおよそ30%少しでした。その後に株価の上昇が続いたのは記憶に新しいところです。値幅では、この時とほぼ同じ程度の調整がすでにできていることになります。アメリカはかなりのインフレとなり、中央連邦理事会(FRB)による急速な金利引き上げが続きました。これは株式相場にとってはマイナス要因ですが、「それによる〝調整〟はもうできた」という見方もあります。2020年3月のように、「どこまで下がるのか」という状況の中でこそ、株価の上昇が始まるものです。今回はどうでしょうか?
確かに、企業の実力以上に株価が上昇していく上がり方(バブルっぽい上昇)は終わり、そのことに対する調整はこの半年で完了しました。これからは、今後の景気の動向をにらんだ動きになるでしょう。アメリカは今、景気が良い状況です。インフレであらゆるものの価格が10%近くも上昇していますが、それで消費が冷え込んでいる状況にはなっていません。給料も上がっているからです。中央連邦理事会(FRB)のパウエル議長は7月に「景気の減速はあったとしても、景気後退となる可能性は低い」と言っています。景気後退(不況)まで至らないのであれば、株式相場も半年間の調整を終えて、再び上昇に向かうことが考えられます。
しかし、アメリカ経済はこれから本格的な景気後退(不況)に陥るとの見方も強くなっています。物価高が続いて消費が抑えられるのも心配ですが、金利が上昇したことで、住宅や自動車の購入の減少が心配されます。実際、住宅購入のペースはすでに大幅にダウンしています。住宅購入は住宅ローンを組みますので、金利の影響を強く受けます。そして、住宅購入は、家具や家電製品の購入など、他の消費への影響も小さくありません。ひとたび景気後退(不況)になったら、半年から1年半はそれが続くでしょう。その場合、株式相場も早くて今年の年末ぐらい、長ければ来年半ばまでは下落または低迷が続くものと思われます。下落幅はさらに大きくなると考えられます。今のアメリカ経済は、景気後退(不況)に陥るか、それを避けられるかの分水領にあるといえるでしょう。
それに比べると、日本の株式相場はそれほど大きくは下がっていません。15%程度下がった後は一進一退を繰り返しています。日本について言えば、はっきりと景気後退(不況)に陥る可能性は低いのではないかと考えています。①インフレがそれほど激しくはない、②日銀が低金利を継続すると言明している、③為替が円安ドル高で推移しており、輸出産業にはメリットがある。などからです。しかし、けっして「景気が良い」と言えるような状況ではありませんので、今の状態での一進一退が続くのではないかと見ています。
2022.8.9記

