リスクとリターン②

投資理論の世界では、「結果が目標からぶれる程度」をリスクという指標を使って表します。
実際には過去の運用成果の結果は標準偏差を使っています。
そして、収益率の予想―このことを「期待収益率」といいますが―には、過去の運用成果の「平均」を使います。
今後の収益率は状況によって変わりますが、どのようになるかはわかりません。
そこで投資理論の世界では、過去の平均収益率を使います。

そして、「リターン(平均収益率)は大きく、リスク(ブレの程度)は小さい方がよいと一般の人は思っている」という前提を置いています。
リターンが同じ運用商品が2つあったら、リスクが小さい方が好ましい。
リスクが同じ運用商品が2つあったら、リターンが大きいほうが好ましいと考えられます。
しかし、これは前提ですから、あくまで話を進める上での約束です。
必ずしも一般の人がこのように考えているとは限りません。
実際に一般の人は「儲かる分には大きいに越したことはないが、損はしたくない」と思っていることが多いのではないでしょうか。
そのため、投資理論と一般の投資家とでは多少事情が異なってくることがあります。
そのケースを考えてみます。

<ケース1:損失の可能性>

risk1

 

 

 

掲載の関係で図が小さくて恐縮ですが、どちらもリターン(平均収益率)は5%です。
左の図はリスクが小さく、運用成果が悪い時でも2%を確保できますが、良い時でも8%程度です。
一方、右はリスクが大きく、運用成果が悪い場合は0%強ですが、マイナスにはなりそうもありません。
運用成果が良い時は10%弱の収益率となる可能性もあります。
マイナスにさえならなければ、リスクの大きいほうを選ぶ人も多いのではないでしょうか。

risk2

今度は、リターン(平均収益率)がマイナスの場合です。どちらも-1%となっています。
左のリスクが小さいケースでは、良い時でもマイナスになってしまいます。
右のリスクが大きい場合は、大損(-5%)となる可能性もありますが、プラスとなる可能性もあります。
確実に損をする方と、大損の可能性があっても損しない可能性がある場合では、後者(リスクの大きい方)を選ぶ人が多い傾向があります。

ここでは、リスクの性質を見るために極端なケースを比較しましたので、あまり現実的ではないかもしれません。
「リスクが大きくても損をしないほどリターンが大きい投資商品」「リスクが小さく、確実に損をする商品」はなかなかないでしょう。

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