ギリシャのユーロ離脱はできるのか?④

ギリシャがユーロを離脱して、自国の通貨「ドラクマ」を発行することとします。
信任のないドラクマは、暴落必至です。
ギリシャの国民は、競ってユーロ紙幣を隠し持ったり、他国に預金をすることでしょう。
そうした抜け駆けができないような工夫が必要です。
さらに、日本の場合は「旧円」が使えなくなるということで、「新円」に変える必要がありました。
しかし、ユーロは存在し続けるために、国内で使われないようにするのは至難の業です。
法律で「使用禁止」と決めても、ヤミで使われるからです。
「ユーロ歓迎、ドラクマお断り」を掲げる商店が現れてしまいます。

固定相場制にして、「ユーロ:ドラクマ=1:1」の交換比率を政府が保障すればよい、との記事を見かけました。
これは固定相場制を理解していないための誤解です。固定相場制は、法律などで決めれば維持できるというものではありません。
政府が「1:1」としても、市中のレートでは「1:5」にも「1:10」にもなってしまいます。
国営(中央)銀行で「1:1」の割合でドラクマをユーロに交換し、ヤミ業者で「1:10」の割合でドラクマに交換すれば、労せずして大儲けとなってしまいます。
このような事態を防ぐには、市中のレートでも「1:1」となるまで、政府(または中央銀行)が「ユーロ売り、ドラクマ買い」を続けなければなりません。
その結果、市中のドラクマが吸い上げられ、流通しなくなってしまった、というおかしな事態になりかねません。

「ユーロ離脱、ドラクマ復活」の作業は簡単なものではありません。
現在はその手順も決まっていないということですので、実施するとすれば、相当な困難が待ち受けています。

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