日本の株式相場は、9月後半から下落していましたが、10月末から急反発しています。日経平均株価で言うと、11月1日に742円、6日も758円の上昇となっています。理由としては、アメリカで金利の引き上げが見送られるとの見方が強まり、NY株式市場が上昇したためとされています。アメリカの金利の状況で日本の株式相場が動くというのも、なんだか釈然としませんが、日本の株式相場の半分以上が海外の投資家になっているので、やむを得ないのかもしれません。確かに、NYダウを見ても、10月下旬から急反発しています。
そうなると、アメリカの状況だけ見ていれば良いのかというと、そうではありません。上のTOPIX(東証株価指数)と右のNYダウ平均を比べると、この1年で日本の株式は上昇しているのに対し、アメリカの株式市場は横ばいが続いているのがはっきりとわかります。好景気が続いたアメリカは、物価と金利の上昇を受けて景気が落ち込むことが心配されていますが、日本はまだ景気が回復している途上です。株式相場の水準もアメリカに対して日本はまだまだ低い水準です。中長期では、その国の状況を反映して、それぞれ動きが異なりますが、日々の変動のような短期的な動きでは、アメリカの株式市場に影響されるという傾向があります。
アメリカの長期(10年)金利の推移を見ると、コロナ禍で景気が落ち込んだ2000年には1%未満だったのが、景気の拡大とともに上昇し、最近では5%近くになっています。アメリカの中央銀行にあたるFRB(連邦準備理事会)が、インフレを抑えるために金利を引き上げているという要因もありますが、景気が良くなれば金利が上昇するのは自然なことです。それでも、1%前後だったのが5%前後にもなっているのですから、影響は小さくないでしょう。ローンの金利が上昇し、住宅や自動車の購入をあきらめる人も出ているようです。そのため、景気が落ち込むと心配されていますが、今のところは意外と堅調で、好景気が続いています。
では、日本の長期金利を見てみると、2021年までは0%近辺で推移していたのが、最近では1%に近付いています。まだまだ低金利には変わりありませんが、それでも、ほとんど金利がなかったことを考えると、正常な状態に戻りつつあります。昨年(2022年)の3月から今年の3月にかけて、ほとんど動きがない、あるいは歪な動きとなっている時期がありましたが、これは日本銀行が、金利が上昇しないように市場に介入したためです。低金利を維持したいという日銀の姿勢がよく見て取れます。日本銀行は最近は「1%前後までは容認する」(そのぐらいまでは上がっても介入しない)と公言しており、そのために1%前後を目指して上昇しているようです。1%を超えたところでまた介入するのか注目されています。
アメリカは景気の拡大とともに金利が上昇しているのに対し、日本では執拗に金利を低く抑えようとしています。そのために、アメリカは高金利、日本は低金利、とますます金利差が拡大し、為替相場では円が売られてドルが買われる(円安ドル高)要因になっています。日本銀行が低金利を維持する方針を変えない限り、為替相場は円安ドル高の方向に向かい、景気の拡大が続くでしょう。日本の株式相場はさらなる上昇が期待できるでしょう。同時に、物価の上昇も続きそうで、その点が懸念材料です。
2023.11.7記

