注目されるフラット35(後編)

<利用に向いている人>

  • 民間の住宅ローンの審査に通りにくい人。
    自営業者やフリーランス、契約社員にとっては強い味方です。団体信用生命保険に加入できない人も利用ができます。
  • 固定金利が向いている人
    • 金利が上昇した際に繰上返済をするなどの資金の余裕がない人。
    • 年収から見て、目いっぱいにローンを組むなど、金利が上昇したら困る人。
    • 金利の上昇が心配な人。(変動金利を選んでも問題がない、余裕がある人でも心配であれば、固定金利を選ぶとよいでしょう。)
  • 今後、金利が上昇すると考えている人。
    金利の見通しは難しいのですが、今後上昇すると考えるのであれば、フラット35を選ぶのがよいでしょう。
  • 金利の優遇が受けられる条件に合う人。
    フラット35には、いろいろな金利の優遇があります。その原資は税金ですので、その分お得になります。
  • 民間の住宅ローンとの併用。
    フラット35は、民間の住宅ローンと併用できます。抵当権は機構が第1位としなければなりませんが、窓口となっている金融機関で相談をすると対応してくれるでしょう。固定金利と変動金利の2つのローンを併用すると、金利の状況に応じて、有利な方を繰上返済することができます。

 

<政策的な優遇金利>

フラット35は、市場原理を利用して組成されていますが、政府系金融機関が実施しているだけに、政府が推進したい施策で、金利の優遇が行われています。その原資は税金です。この制度を利用すると、税金によって援助がなされるわけです。これは民間の住宅ローンにはない魅力です。それが適用されているフラット35の商品を挙げます。いずれも、実施期間が限定されていたり、予算額に達すると終了となりますので、確認が必要です。

 

  • フラット35子育てプラス:子どもの人数に応じて、5年間、金利が25~0.75%引き下げられます。2027年3月までの期間限定です。
  • フラット35S:省エネ、耐震性などで高い性能を備えた住宅を購入・建築した場合に利用できます。5年間、金利が25~0.75%引き下げられます。物件価格や建築費は高くなりますが、金利が低くなり、省エネ効果もあわせるとお得になるでしょう。
  • フラット35リノベ:中古住宅を購入し、あわせてリノベーションを行う場合、物件の購入価格とリフォーム費用が融資の対象になります。そして5年間、金利が5~1.0%引き下げられます。リフォーム後の省エネ・耐震性などに条件があります。
  • フラット35維持保全型:維持保全や管理に適した住宅を購入した場合、中古住宅を購入して維持保全や管理に適した住宅にリフォームする場合に5年間、金利が25%引き下げられます。
  • フラット35地域連携型:空き家、防災対策の住宅、街並みに配慮した住宅を取得する場合など、一定の条件に適合すると5年間、金利が25%引き下げられます。ここに記載した以外にも、いくつものメニューがあります。
  • フラット35地方移住支援型:地方に移住するために住宅を購入する場合に5年間、金利が6%引き下げられます。

 

<期間の長さが異なるフラット>

以下は、融資期間が異なるタイプです。特に優遇があるわけではありません。

  • フラット20:融資期間が20年未満の場合は、フラット35に比べて金利が低くなります。ただし、返済期間中に返済期間を延長する場合、20年以上には延ばせませんので、注意が必要です。その他の条件は変わりませんので、「フラット35(返済期間20年以下)」と記載されることもあります。
  • フラット50:融資期間が35年以上で50年以内となります。当初は親が返済し、途中から子供が返済していく「親子リレー返済」で利用されます。引き継ぐ子の年齢で最長返済期間の上限が決まります。対象となる住宅は「長期優良住宅」の基準に適合したものが条件です。

 

<注意>

フラット35をめぐるトラブルが頻繁に起きています。最も多いのは、投資用物件の購入にフラット35を利用することです。投資用物件の購入にはフラット35は利用できません。投資用物件のローンは金利がかなり高いので、「自宅の購入」ということにして申し込んでしまうようです。業者側から「みんなそうしていますよ」とそそのかされてしまうのです。また、収入を偽ったり、カードローンや自動車ローンの金額を含めたりすることも不正利用です。発覚したら、すぐに全額の返済を迫られます。業者に言われてやったとしても、被害者ではなく、不正の〝加害者〟になってしまうので、救済は難しいでしょう。「誰でもやっている」の言葉には、くれぐれも注意してください。

2025.2.28記

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