子供の住宅購入を援助する非課税枠②

子供が自宅を建てる際に親や祖父母などが資金援助をすることがあります。
通常、人からお金をもらうと贈与税がかかりますが、住宅購入や改築のための資金については特別に、期間限定で、非課税となります。
非課税となる金額は、一定の範囲までとなっており、それが「非課税枠」です。
この範囲内でしたら、受け取った子供や孫に贈与税はかかりませんが、その金額が毎年のように変わります。

自宅の購入や建築に限定した資金のみに、非課税が適用されます。
もともと、この制度は〝景気対策〟として設けられました。
住宅の購入は金額が大きく、景気を刺激する効果が期待できますので、不況になると、いろいろな優遇策が打ち出されます。
親・祖父母から住宅資金を受ける場合の贈与税を非課税にするという制度も、その一環でした。

景気対策として実施する場合は、期間を限定して、徐々に優遇の程度を小さくしていくように実施されることが多くなっています。
〝早くに実行する方が優遇は大きくてお得〟として、少しでも多くの住宅投資が早くなされることを狙っています。
景気の低迷が長く続きましたので、そのたびにこの制度が設けられましたが、設けられるたびに「最初は大きく、その後は徐々に小さくなる」ように設計されています。

景気の状況を考えると、そろそろ終了してもよさそうですが、平成29年4月には、2回目の消費増税が控えています。
前回、平成25年4月に消費税が8%に引き上げられた際は、住宅投資に大きな影響がありました。
消費税引き上げ前に駆け込み需要があり、引き上げ後はかなり落ち込みました。
住宅は金額が大きいので、3%の引き上げでも大きな金額となるからです。
(2,000万円の3%は、60万円です。)

前回は、住宅投資の落ち込みを和らげるために、住宅ローン減税の拡大がなされました。
年収の多い人が高額の住宅を購入する場合は、消費税増税後の方がかえってお得になるぐらいでした。
そして、年収の多くない人のためには「すまい給付金」という制度を設けて、国がお金を支給することもやっています。

次回の引き上げ時には、住宅ローン減税の拡大はありませんので、「贈与税の非課税枠」を変えることで住宅投資の変動を抑えようとしています。
まず前回、平成24年の時に景気対策で決めた非課税枠は徐々に下がりながら、平成26年の年末に終了する予定でした。
そこで、平成27年は少し枠を大きくして(優良;1,500万円、一般;1,000万円)新設しました。
そして、翌年の平成28年には枠が小さくなります(優良;1,200万円、一般;700万円)。

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