住宅ローンの金利予想

ここでは固定金利と変動金利で、どちらを選んだらよいのかを考えます。
単純に金利を比べると、どの銀行でも固定金利よりも変動金利の方が、金利は低く設定されています。
そのため、当初の返済額は変動金利を選んだ方が少なくて済みます。
しかしながら、変動金利は今後の金利状況によって、返済額が増える可能性もあります。
金利変動のリスクを自分で抱えるのが変動金利、銀行に抱えてもらうのが固定金利と言えます。
固定金利の方が金利は高いのは、このリスクを抱えてもらうコストも含まれていると考えられます。

〝アベノミクス〟で、今後の金利はどうなるのでしょうか。
アベノミクスとは、安倍首相が提唱する経済政策のことです。
「大胆な金融緩和」「機動的な財政政策」「民間投資を促す成長戦略」を〝三本の矢〟と称して、景気回復を目指すとしています。
このうち、「大胆な金融緩和」では、日本銀行の総裁を金融緩和に積極的な人に替え、物価が上昇するまで通貨の量を増やし続けることとしました。
日本銀行が通貨の量を増やすと、一般的には金利が下がります。
もともと低金利が続いていましたが、安倍内閣が成立した一昨年の暮れごろから、さらに金利は低くなり、史上最低の低金利を更新していました。
住宅ローンの金利も下がり、こちらもかつてないほどの低い金利が各銀行から提示されています。
住宅ローンを組むには、絶好の環境となりました。

しかし、昨年の4月には急に金利が上昇を始めました。
一時は0.315%まで低下した10年国債の利回りが、1か月半後には1%を超えるまでに上昇しました。
住宅ローンの金利は国債の利回りの影響を受けますので、今後上昇していくことも考えられました。

日本銀行の方針が変わったわけではありませんが、景気が回復し始め、金利が上昇するのではないかとの見方が出てきたためです。
結局は、金利上昇は一時的なものにとどまり、まだまだ低い水準が続いています。
今後、金利はどのように動いていくのでしょうか。

日本銀行は依然として、通貨の量を増やし、金利を下げることを目指しています。
その点を踏まえると、まだまだ低金利が続くと思われます。
しかし、その結果、景気が回復すると、金利は上昇していきます。
気の早い金融機関は金利を引き上げる方向に動くでしょう。
その点を考慮すると、金利が上昇していくことが予想されます。
つまり、「金利が下がる要素」と「金利が上がる要素」の両方があり、どちらに動いても不思議ではないのです。
そのために専門家の間でも意見が分かれ、市場の乱高下につながったようです。
〝金融市場のプロ〟でも予想がまちまちなのです。

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