小規模宅地の評価の特例④

小規模宅地の評価の特例が適用される条件を考えると、親が自宅を持っていて他に兄弟がいない、相続税がかかるかもしれない、という場合には、安易にマイホームを購入しない方がよい、ということになります。
もちろん、相続税の問題だけで、マイホームの購入を決める必要はありませんが、親の自宅の地価によっては、考慮に入れたいところです。
一人っ子または他の兄弟がすでに自宅を持っている場合は、マイホームの購入をあせる必要はありません。
また、子どもが独立して、広い間取りが必要亡くなった場合など、買い替えをするのではなく、売却した上で、賃貸住宅に入居するのも一つの方法です。

もう一つは、親の名義の土地に、子どもが自宅を建てて住んでいる場合です。
住んでいる子どもが相続し、申告期限まで住んでいれば適用されます。
地方などでは、土地が広く、子ども夫婦が別棟を建てることがよくあります。
そのような場合が対象となります。
また、親が自宅を購入して、子どもに住まわせた場合も対象となります。
ただし、親子の生計が同じであるという条件が付きます。
常に生活費や医療費などの送金が行われている必要があります。
なお、亡くなった親の自宅もこの制度の対象となる場合には、両方は適用とならず、親の自宅の方が優先されます。

さて、亡くなった人が住んでいた自宅の条件が、昨年から少し緩和されました。
一つは、亡くなった人が老人ホームなどに入居していた場合です。
介護などの必要から老人ホーム、高齢者向け住宅に入居していた場合は、その人の自宅でなくても、対象となりました。
ただし、他人に貸していた場合などは除きます。

もう一つは、二世帯住宅で、〝区分所有登記がされていない〟場合です。
玄関から別々という、完全分離型の二世帯住宅は、1戸の家としても、2戸の家としても登記することができます。
2戸の登記がなされていれば(区分所有登記)それぞれ、別個の家ですので、それぞれ別々に対象となるかが問われ、両方適用となる場合でも、どちらか一方が対象となります。
一方、1戸の家として登記された二世帯住宅で、親子共同持分の場合、かつては対象とならない場合もありましたが、昨年からは親の居住部分も含めて、すべてが対象になるように、適用が拡大されました。

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