住宅ローンの金利タイプの選び方

「今後、金利はどうなりますか」と、よく尋ねられます。
住宅ローンを組もうとしている人にとっては切実な悩みです。
しかし、それを聞いた相手が、金融の専門家であったとしても、その人の答えは、まちまちな予想のうちの1つに過ぎません。
他の人に聞けば、また違った予想となるわけです。
ですから、専門家に聞いたところであまり意味はありません。
今後どうなるかは、わからないと考えるのが適切です。

「低金利が続く間は変動金利にしておいて、金利が上昇する状況になったら固定金利に変更する」という人もいますが、変更するタイミングを把握するのは難しいものです。
また、固定金利の方が先に上昇する傾向があるので、低い変動金利から高い固定金利に変更すると、返済額が大幅にアップします。
ためらっているうちに、固定金利がさらに上昇してしまうということにもなりかねません。

そうは言っても住宅ローンを組む時は、金利タイプを選ばなければなりません。
できれば返済額が少ない変動金利を選びたいが、将来に問題はないだろうか、というのが本音ではないでしょうか。

そうです。
将来、問題がなければ返済額の少ない変動金利を選んでも問題ありませんが、問題があるようなら、固定金利を選ぶ必要があります。
問題とは、「住宅ローンを返済できなくなること」です。
つまり、たとえ金利が上昇しても問題なく返済していけるのならば、変動金利を選んでも差し支えありません。
しかし、予想外に金利が上昇した場合に返済できなくなる可能性があるのならば、変動金利を選んではいけません。
「返済できなくなる」ということは、自宅を取られてしまうことを意味するからです。
ご自宅、さらにはご家庭を守るためには、〝想定外〟の金利上昇があっても、返済できなくなるという事態にならないようにしておく必要があるのです。

住宅ローンの金利タイプは、金利の予想ではなく、金利が上昇しても返済していけるかどうかで選ぶことが大切です。
金利が上昇して、毎月の返済額が増えると返済に支障をきたす状況であれば、固定金利を選んでおく必要があります。
当初の返済額は固定金利の方が多いのですが、世間一般の金利が上昇しても、返済額が変わりませんので安心です。

質問はこちらから