変動金利を選んでもよい人

「変動金利を選んでもよい人」とは、どのような人でしょうか。

①繰上返済のための預貯金がある人

住宅を購入する際は、なるべく頭金を多くして、ローンの金額を少なくした方がお得です。
しかし、中には「いざという時のために手元に資金を持っておきたい」と、十分な預貯金を残しながらローンを組む人もいます。
住宅ローンの金利は、預貯金の金利よりも高いので、その分損していることになります。
しかし、金利の上昇時に、この預貯金が意味を持ちます。
金利が大きく上昇した際などに、繰上返済をして、毎月の返済額が増えるのを抑えます。
繰上返済には、「返済期間短縮型」と「返済額軽減型」があり、総返済額を比べると、「返済期間短縮型」の方が有利です。
しかし、「返済額軽減型」の繰上返済をすることで、毎月の返済額が増えるのを抑えることができます。
予想以上に金利が上昇して、返済ができなくなることを避けられます。

 

②収入の割に、住宅ローンが少ない人

共働きで子供がいないために、収入はあるものの、それほど広い間取りが必要ないという人などが該当します。
親から資金贈与を受けた、自宅の買換えであるなどで、それほどローンを組む必要がなかった人もこれに当たります。
金利が上昇して、返済額が増えても家計を維持できるようなら、変動金利を選ぶことも可能です。
返済額が少ないうちに、繰上返済のための資金を準備することもできます。

 

③住宅ローンの返済期間が短い人

15年、20年など、短い返済期間で住宅ローンを組む人もいます。
その分、毎月の返済額は多くなりますが、借入残高の減少が早く進みます。
借入残高が減少すると、金利が上昇した場合でも、毎月の返済額の増加はそれほど多くはありません。
金利が2倍に上昇したとしても、毎月の返済額は2倍にまでは増えません。
返済期間が短い住宅ローンは、金利上昇のリスクに対して、抵抗力があります。
さらに、住宅ローンの返済方式で一般的な「元利均等返済」ではなく、「元金均等返済」を選ぶとよいでしょう。
当初の返済額は多いのですが、これも借入残高の減少が早く進むので、金利上昇への抵抗力があります。
扱っている銀行は多くはありませんが、検討する価値はあります。

 

上記をご覧いただくと、いずれも余裕をもって住宅ローンを組んだ人だということがわかるでしょう。
変動金利と固定金利では、変動金利の方が、当初の返済額は少なくて済みます。
そのため、多少背伸びをしてローンを組んだ人が、返済額の少ない変動金利を選ぶ傾向があります。
しかし、そのような人は、金利が上昇して返済額がアップすると、たちどころに家計が行き詰ってしまいます。
返済ができなくなり、自宅を差し押さえられてしまうことにもなりかねません。
変動金利ということは、将来の金利上昇のリスクを抱えるということですから、余裕のはい人は、たとえ当初の返済額が多くても、固定金利を選ぶ必要があります。
このまま金利が上がらなければ、変動金利を選んだ方が良かったという可能性もありますが、まず大前提として、返済できなくなる事態を招かないようにしておかなければならないからです。

上記の3つに該当しない人は、固定金利を選ばなければなりません。
しかし、上記に該当する人は、変動金利を選ばなければならない、というわけではありません。
変動金利を選んでも問題ない、というわけです。
変動金利を選んでも問題ない人でも、将来の返済額がわからず不安だという人は、固定金利を選んでもよいわけです。
いつ金利が上がるかと、いつもハラハラするぐらいなら、固定金利を選んでおくとよいでしょう。
固定金利は、リスクを銀行に抱えてもらうので、高い返済額は、〝安心料〟だと思えばよいのです。

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