消費税が8%になった後に適用される優遇措置のおかげで、増税後の方が、メリットがある人も少なくありません。一般にメリットが大きいのは、次のケースです。
- 住宅ローンの金額が大きい。
- 収入が多い。
- 購入する不動産の価格のうち、土地の比重が高い。
収入の少ない人向けの「すまい給付金」もありますが、それでもやはり収入が多く、大きな物件を購入する方がメリットは大きくなります。③は、土地の売買には消費税がかからないからです。
なお、個人から購入する中古物件は消費税がかかりませんので、この優遇措置は適用されません。不動産業者から購入する中古物件は消費税がかかりますので、適用されます。
それでは、消費税の増税前と後で、どちらが有利になるかを比較検討してみましょう。影響を与える要素が、①住宅ローンの金額、②収入、③建物の価格、の3つありますので、比較が難しいのですが、試算をしてみると下記のようになりました。
消費税の増税後の負担増の金額
※負担増の金額=増税による消費税の増加分-優遇措置による減税分・支給分
※住宅ローン金利は、1.8%で計算。所得控除は、配偶者控除のみとする。
(単位:円)
住宅ローン 2,000万円の場合の負担増 | |||||
建物価格 | |||||
年収 | 1,500万円 | 2,000万円 | 2,500万円 | 3,000万円 | 3,500万円 |
400万円 | 49,732 | 199,732 | 349,732 | 499,732 | 649,732 |
600万円 | 450,000 | 600,000 | 750,000 | 900,000 | 1,050,000 |
800万円 | 450,000 | 600,000 | 750,000 | 900,000 | 1,050,000 |
1000万円 | 450,000 | 600,000 | 750,000 | 900,000 | 1,050,000 |
1200万円 | 450,000 | 600,000 | 750,000 | 900,000 | 1,050,000 |
住宅ローン 3,000万円の場合の負担増 | |||||
建物価格 | |||||
年収 | 1,500万円 | 2,000万円 | 2,500万円 | 3,000万円 | 3,500万円 |
400万円 | -240,000 | -90,000 | 60,000 | 210,000 | 360,000 |
600万円 | -189,140 | -39,140 | 110,860 | 260,860 | 410,860 |
800万円 | -189,140 | -39,140 | 110,860 | 260,860 | 410,860 |
1000万円 | -189,140 | -39,140 | 110,860 | 260,860 | 410,860 |
1200万円 | -189,140 | -39,140 | 110,860 | 260,860 | 410,860 |
住宅ローン 4,000万円の場合の負担増 | |||||
建物価格 | |||||
年収 | 1,500万円 | 2,000万円 | 2,500万円 | 3,000万円 | 3,500万円 |
400万円 | -240,000 | -90,000 | 60,000 | 210,000 | 360,000 |
600万円 | -713,095 | -563,095 | -413,095 | -263,095 | -113,095 |
800万円 | -1,068,854 | -918,854 | -768,854 | -618,854 | -468,854 |
1000万円 | -1,068,854 | -918,854 | -768,854 | -618,854 | -468,854 |
1200万円 | -1,068,854 | -918,854 | -768,854 | -618,854 | -468,854 |
マイナスとなっている部分は、負担が軽くなっている金額です。つまり、このケースの場合は、4月以降に購入した方がよい、ということになります。シミュレーションの結果を見ると、年収もさることながら、住宅ローンの金額と建物の価格がポイントとなるようです。建物の金額が低いということは、購入する金額のうち、土地の割合が高いということになります。都心に近い便利な所の小さな一戸建てを購入するのがよさそうです。