住宅ローンは変動金利と固定金利のどちらが良いか?②

固定金利は、住宅ローンの完済まで全期間、同じ金利が適用される金利タイプです。融資を受けた時点での金利が最後まで続きます。それだけに、融資を受ける時点で、適用される金利が大切になります。金利が同じということは、最後まで返済額が確定するわけで、元利均等方式であれば、第1回目の返済から最後まで返済金額が変わりません。世間の金利状況がどうなろうとも影響を受けませんので、安心できます。

ただ、最近のように低金利の状況では、変動金利よりも金利が高いのが一般的です。金利の決まり方は、長期金利を参考に決めています。長期金利の代表的なものは「10年もの長期国債」の利回りです。基本的には、さまざまな投資家が参入している債券市場の売買で決まりますが、日本銀行が一定の水準以上に上がらないように介入していますので、ある程度は日銀の姿勢に左右されます。

最近は0.25%以上にならないように日銀が介入していましたが、昨年の12月に0.5%程度までは許容するとして、利回りが上昇しました。最近の住宅ローンの固定金利の上昇には、このような動きも影響されていると言えます。

変動金利は、半年ごとに金利の見直しがあります。短期金利を基準に金利を決めています。短期金利の代表的なものが、金融機関同士の資金の貸し借りである「無担保コール翌日物」の金利です。

直近では-0.014%と、マイナス金利になっています。こちらも金融市場の動向で動きますが、日本銀行の影響力が大きいのが特徴です。日本銀行がマイナス金利を維持していると言えます。この金利が上昇すれば、住宅ローンの変動金利も上昇することが考えられます。

変動金利では半年ごとに金利が変わる可能性がありますが、毎月の返済額は5年間は変わりません。金利が上昇すると、毎月発生する利息が増えることになります。返済額のうち、元本の返済に充当される部分が少なくなり、なかなかローン残高が減らないようになります。

毎月の返済額は5年ごとに見直しされますが、それでも25%以上は上昇しないようになっています。返済額が急に大きく増えることはないので安心できますが、毎月の返済額のうち利息の部分が多くなり、元金の減少が少なくなります。負担を後に先延ばしすることになります。

2023.2.21記

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