住宅ローンは変動金利と固定金利のどちらが良いか?①

このところ、住宅ローンの金利が少しずつ上昇しています。と言っても上昇しているのは固定金利だけで、変動金利は依然変わらず、低いままです。長期金利の代表格である「フラット35」(融資割合9割以下)の中心金利は、3年少し前の2019年10月時点では1.11%でしたが、現在(2023年2月)は1.88%になっています。0.77%上昇しています。特に昨年になってからは上昇傾向が続いており、徐々に上昇のペースが早くなっています。

一方、変動金利を三菱UFJ銀行で見てみると、2019年10月時点では0.625%でしたが、現在は0.475%とこちらは下がっています。変動金利について言えば、2021年4月に0.475%となってから2年近く変わっていません。

もともと低金利の時は、変動金利よりも固定金利の方が高いのが一般的ですが、その幅が拡大していると言えます。2019年10月時点では両者の差は0.485%でしたが、現在は1.405%になっています。住宅ローンは借入額が大きいだけに、1%の差は小さくありません。このため、「固定金利よりも変動金利で借りた方が良い」との見方が広がっていますが、実際はどうなのでしょうか?

 

住宅ローンは金利タイプを選ぶ

住宅ローンを組む際には、金利のタイプを選ぶようになっています。固定金利、変動金利、そして固定金利期間選択型などがあります。固定金利期間選択型には、当初の固定期間の期間が、3年、5年、10年、15年などがあり、それらも含めるとかなりの種類になります。住宅ローンを組む人にとっては頭を悩ませる問題です。それぞれ金利は違いますし、それによって毎月の返済額も違ってきます。さらに、融資額の上限も変わってくることになり、購入する物件価格にも影響します。また、固定金利以外は、その後の状況によって金利が変わってきますので、正確な比較はできません。それだけに、当初の金利の違いだけで金利タイプを選んでしまう人がいるのも現状です。最近のように、固定金利や長期間の固定金利選択型の金利が上昇している状況では、変動金利を選ぶ人が増えています。

変動金利は金利が上昇していく可能性がありますが、「変動金利は、日本銀行が上がらないように抑えているので、上昇しにくい」と解説する人も少なくありません。特に、金利が低い変動金利の方が融資の上限額が大きく、より多額の融資契約に結び付きやすいだけに、販売業者や金融機関の人が説明に使うことが多いようです。プロに言われるともっともらしく聞こえてしまいますが、そう簡単なものではありません。

2023.2.2記

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