最近の住宅ローンいろいろ

最近は金利がほとんどないぐらいの状態になっており、住宅ローンの金利もかなり下がっています。変動金利タイプでは名目上は2.475%となっていますが、一定の条件を満たすと0.575%で借りられます。全期間固定金利のフラット35でも1.31%(融資9割以下)となっています。実質1%前後となっており、各金融機関ともほとんど差がない状況です。そこで住宅ローンは金利引き下げ競争から〝サービス競争〟へと変わりつつあります。今回は主な銀行が扱っている住宅ローンの中から、特色があるものをご紹介いたします。

 

  • 三井住友銀行「8大疾病保障付住宅ローン」

住宅ローンには「団信」(団体信用生命保険)が付いていて、名義人が亡くなるとその後の返済が免除されます。最近は亡くなった場合だけでなく、重篤な病気になった場合も返済が免除されるものが増えており、「8大疾病」に対して、何らかの保障があるものが珍しくありません。同商品では、ガンと診断された場合、急性心筋梗塞・脳卒中が60日以上継続した場合、その他の8大疾病で就業不能が14ヶ月以上続く場合に残債の返済が免除されます。その他の病気やケガで入院した場合も1ヶ月分は免除されます。

  • 三井住友銀行「クロスサポート」(連生団体信用生命保険付住宅ローン)

夫婦どちらかに万が一のことがあった場合に、残債の返済が免除されます。住宅ローンの名義が夫で、妻が亡くなった場合でも返済が難しくなる場合があります。そのようなリスクに備えることができます。事実婚、同成婚でも利用することができます。

 

  • りそな銀行「団信革命」(特定状態保障特約付住宅ローン)

3大疾病を始めとして、「一定の状態になった」場合に残債の返済が免除されます。病名ではなく、〝状態〟で判断されるのが特徴です。「精神に著しい障害を残し、終身常に介護を要するもの」や「右足が完全にマヒしている状態」なども残債免除になるなど、対象の範囲を広くとっています。

 

  • 三井住友信託銀行「全入院保障付八大疾病保障特約」

ガンと診断された場合、急性心筋梗塞・脳卒中が60日以上継続した場合、その他の8大疾病で就業不能が13ヶ月以上続く場合に残債の返済が免除されます。さらに、その他の病気やケガで入院した場合は2ヶ月間、失業した場合は3ヶ月間返済が免除されます。病気に関わらず、非自発的な失業をも保障の対象にしているのが特徴です。

 

  • 新生銀行「ステップダウン金利タイプ」

住宅ローンの金利タイプは主に、固定金利、変動金利、期間選択型固定金利があります。金利上昇リスクを避けるためには固定金利タイプを選ぶ必要がありますが、新生銀行ではもう一歩進んで、将来金利が下がるタイプがあります。「ステップダウン金利タイプ」は、10年後から5年ごとに金利が10%ずつ低下するようになっています。お子さんの成長とともに教育費が増えることが予想されるご家庭に向いています。低下する金利はあらかじめ決まっていますので、将来の支払額は明確で、安心もできます。

 

  • イオン銀行「8大疾病保障プラス付住宅ローン」

ガンと診断された場合、急性心筋梗塞・脳卒中が60日以上継続した場合、その他の8大疾病で就業不能が13ヶ月以上続く場合に残債の返済が免除されます。さらに、非自発的失業の場合は6ヶ月間の返済が免除されます。

  • イオン銀行「安心プラス住宅ローン」(返済猶予型住宅ローン)

元金の返済を最長5年間(60ヶ月)猶予してもらうことができます。60ヶ月までであれば、6カ月単位で何度でも利用することができます。(返済猶予期間中の借入金利は0.5%高くなります。)もとからこのような条項が付いていて、理由を問わずに利用できますので、利用するかどうかは別として、安心です。

 

  • 楽天銀行「全疾病保障特約付団体信用生命保険」

特定の病気を対象にしないで、「就業不能状態が1年を超えて続いた場合」に残債の返済が免除されます。(精神障害は対象外)さらに「がん保障特約」を付けると、就業不能にならなくても、残債の半分(50%)の返済が免除されます。

 

この他に、自然災害で自宅が全壊または半壊となった場合に一定期間(2年、半年など)返済が免除される保障などは、多くの金融機関が用意しています。
その他にもユニークなサービスとして、新生銀行は融資額に応じて、家事代行や病児保育を利用できるクーポンを発行しています。

2020.11.23記

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