グリーン住宅ポイント(前半)

住宅の建築・購入やリフォームを行うと、商品交換や追加工事に充当できるポイントが付与される優遇策が実施されています。「グリーン住宅ポイント」という制度です。対象は、新築住宅の建築・購入だけでなく、中古住宅の購入、自宅のリフォーム、賃貸住宅の建築までと、幅広くなっています。ただ、申請期間は今年(2021年)の3月29日から10月31日までの実質7か月間と短くなっています。どのような制度か、確認してみましょう。

申請の対象になるのは、省エネ住宅として一定の基準を満たしたものなどとなっています。基準については、専門知識が必要ですので、工務店や不動産業者に確認しましょう。ポイントの申請も業者が代行してくれます。さらに取得したポイントを追加工事に充当する場合は、その交換手続きも業者がやってくれます。
つまり、この制度を使って追加工事を行う場合は、こちらはまったく手続きが必要ありません。商品に交換する場合は、取得したポイントの範囲内で対象の中から商品を選ぶわけですが、サイトに商品と必要ポイントが記載されていますので、ネットショッピングのように利用することができます。

ポイントは換金できませんので、厳密には言えませんが、1ポイントは1円相当と考えられます。つまり、使い道は限られているものの、実質的に30万円から100万円が給付されると考えてよいでしょう。

  • 対象1:新築住宅の建築・購入
    • 一定の省エネ性能を持った住宅が対象です。注文住宅の建築でも、分譲住宅の購入でも使えます。
    • 注文住宅の場合は工事請負契約、分譲住宅の場合は不動産売買契約が昨年(2020年)12月15日から今年(2021年)の10月31日までのものが対象となります。
    • 対象となるのは、長期優良住宅や断熱等性能等級4以上など、いくつかの基準があります。工務店や不動産業者に確認するのがよいでしょう。
    • 内容に応じて、30~40万ポイントが得られます。さらに追加の条件を満たすと30~60万ポイントが加算され、その結果、30~100万ポイントが得られるというわけです。
    • ポイント加算の条件は、①東京圏から他の地域への移転、②子供3人以上の世帯、③三世代同居、④災害リスクの高い区域からの移転、となっています。いずれも細かい条件がありますので、業者やグリーンポイント事務局に確認してください。

 

  • 対象2:中古(既存)住宅の購入
    • 今までの住宅購入促進策は、中古住宅の購入が対象とならないものが多かっただけに、今回は対象が広いことがわかります。以前に人が入っていなくても、2019年までの建築で、購入代金が100万円以上であれば対象です。
    • その上で、以下の条件に該当することが条件となります。①東京圏から他の地域への移転、②災害リスクの高い区域からの移転、③空き家バンクの登録住宅、④今の住宅の除去に伴い購入する場合。
    • ③の「空き家バンク」とは、持ち主が売却を希望している空き家の自治体による登録制度です。④は、今住んでいる自宅を解体して、転居する場合が該当します。
    • 昨年(2020年)12月15日から今年(2021年)の10月31日までの不動産売買契約が対象となります。
    • ①~③が30万ポイント、④は15万ポイントで、①~③と④の両方に該当する場合は、あわせて45万ポイントとなります。

 

  • 対象3:リフォーム工事
    • 以下のリフォームをした場合に、工事額や条件に応じてポイントが付与されます。
    • 対象となるリフォーム工事:①エコ住宅設備の設置、②開口部の断熱改修、③外壁、屋根・天井または床の断熱改修
    • さらに、上記の①~③と合わせると、以下もポイントの対象になります。a) バリアフリー改修、b) 耐震改修、c) リフォーム瑕疵保険への加入、d) 中古(既存)住宅の購入
    • 付与されるポイントの上限

 

中古(既存)住宅の購入あり

なし

40歳未満or子育て世帯

60万ポイント

45万ポイント

上記以外の世帯

45万ポイント

30万ポイント

※上記は〝上限〟ですので、実際の付与はこの範囲で工事内容によります。

  • 昨年(2020年)12月15日から今年(2021年)の10月31日までの工事請負契約が対象となります。
  • 複数のリフォームをすれば、複数回の申請もできます。
  • 対象2の「中古(既存)住宅の購入」と重複しては申請できません。よって、中古(既存)住宅を購入してリフォームした場合は、対象3の「リフォーム工事」での「中古(既存)住宅の購入あり」のポイント付与となります。

 

  • 対象4:賃貸住宅の建築
    • 新たに賃貸用の共同住宅を建築する場合に利用できます。これも対象になるのは、なかなか珍しいことです。
    • すべての部屋が40㎡以上で、建築物省エネ法のトップランナー基準に適合していることが条件となります。トップランナー基準は、省エネの基準がかなり高い水準です。
    • すべてが賃貸住宅であることが必要で、賃貸併用住宅や店舗併用住宅は対象となりません。また、賃貸住宅でも一戸建ては対象外です。
    • 昨年(2020年)12月15日から今年(2021年)の10月31日までの工事請負契約が対象となります。
    • 付与されるポイントは、1戸あたり10万ポイントです。

 

付与されたポイントが使える交換商品や追加工事にも、いろいろと条件があります。それについては次回ご紹介いたします。

2021.5.29記

質問はこちらから