子供の住宅購入を援助する非課税枠③

住宅購入資金の贈与の非課税枠を利用する際に、注意しなければならない変更点があります。
今まではお金をもらった時期で非課税枠の金額が適用されていました。
平成27年以降は、もらったお金で購入・建築、改築する住宅の契約の時期で適用が決まります。
購入であれば「売買契約」、新築・改築であれば「請負契約」の締結日となります。
契約の時期によって消費税の扱いが異なることがあるので、贈与税の非課税枠の扱いも、契約日に統一したわけです。
(ただし、契約が平成26年で、お金をもらったのが平成27年の場合でも、平成27年の非課税枠が適用されます。)

そして、平成28年10月からは、消費税10%が適用される物件については、非課税枠が格段に大きくなります。
消費税が引き上げとなるのは、平成29年4月です。
本来は物件の引き渡し時期で消費税の扱いが決まります。
平成29年3月までの物件引き渡しであれば諸費税8%、4月以降の引き渡しであれば10%が適用されます。
ただ、住宅は完成・引き渡しの時期が遅れることもありますので、半年以上前に購入・新築契約をした場合は、完成・引き渡しが4月以降になっても、引き上げ前の消費税が適用される特例措置があります。
その半年前が平成28年9月末となります。
そのため、平成28年9月前は駆け込み需要が、10月以降は冷え込みが予想されています。
そこで、平成28年10月以降の購入・新築契約で、引き渡しが平成29年4月以降になるもの(消費税10%が適用される物件)については、税制面での優遇を大きくします。

前回の平成25年4月の消費税引き上げの際も、半年前に駆け込み需要とその後の冷え込みがありました。
その反省を受けて、適用を契約時期とし、半年前から枠を大きくしました。

非課税枠は、優良住宅で3,000万円、一般住宅で2,500万円と、かなり大きくなります。
このぐらい枠が大きければ、自宅を〝親に買ってもらう〟ということも可能になります。

ただし、平成28年10月以降であっても、適用されるのは消費税が10%の物件のみです。
完成・引き渡しが平成29年3月までに間に合ったら消費税は8%ですので、贈与税の非課税枠は、優良住宅が1,200万円、一般住宅は700万円となります。

また、個人間の売買である中古の物件には、そもそも消費税はかかりません。
これも、贈与税の非課税枠は大きくなりません。平成29年9月まで優良住宅は1,200万円、一般住宅は700万円が続き、その後は徐々に小さくなります。(冒頭ページの図では、赤線の部分です。)

一方、消費税10%が適用された物件も、その後は徐々に非課税枠が小さくなり、いずれにしても平成31年6月末をもって、終了する予定となっています。
(この時にまた景気が悪ければ、枠を大きくして、新たに設けられるかもしれません。)

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